在留資格「定住者ビザ」とは? 告示、新規取得、更新の方法から就労の可否まで徹底解説します!

定住者ビザの外国人

定住者とは?

定住者ビザとは、法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者に付与される在留資格です。

英語では「Long-term resident visa」と表記されますが、実際に許可される在留期間は最長でも5年です。英語の「Long-term」の語感と実際に許可される在留期間とに齟齬がありますので、ご注意ください。

在留資格と在留期間については、別記事「在留資格とは」でくわしく解説しています。

定住者」は、法務大臣が居住を認めるべきと判断すれば、あらゆる人に認められる可能性があります。

つまり定住者ビザは、入管法別表第二に定める他の在留資格(永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等)には該当しないものの、日本として受け入れる必要がある場合に、その受け皿となる補完的な在留資格として設けられています。

定住者ビザ
無断転載を禁ずる

定住者の就労

定住者の在留資格は身分・地位に着目して認められる在留資格であるため、就労に制限はありません。

告示定住者と告示外定住者

上述のように、法務大臣が特別な理由を認めれば、定住者の在留資格の対象としてあらゆる身分・地位のかたが認められる可能性がありますが、その中の一定の方はあらかじめ法務大臣が定める「告示」によって定められています。

告示定住者は上陸審査の対象です

定住者ビザ
無断転載を禁ずる

法務大臣が「告示」によって、定住者として想定している方をあらかじめ公開している意味は、上陸審査との関係にあります。

定住者は「法務大臣が」特別な理由を考慮して居住を認める必要がありますが、制度運用上は政府として念頭におく者を公示しておかないと、法務大臣ならぬ入国審査官は困ってしまいます。

入管法はつぎのように定め、「告示」に定められた定住者についてのみ、入国審査官かぎりで上陸審査をすることができるものとしました。

定住者告示には、現在8号までが設けられています。

第七条(抄)
入国審査官は、前条第二項の申請があつたときは、当該外国人が次の各号に掲げる上陸のための条件に適合しているかどうかを審査しなければならない。
二 申請に係る本邦において行おうとする活動が虚偽のものでなく、別表第二の下欄に掲げる身分若しくは地位(永住者の項の下欄に掲げる地位を除き、定住者の項の下欄に掲げる地位については、法務大臣があらかじめ告示をもつて定めるものに限る。)を有する者としての活動のいずれかに該当し、かつ、別表第一の二の表及び四の表の下欄に掲げる活動を行おうとする者については我が国の産業及び国民生活に与える影響その他の事情を勘案して法務省令で定める基準に適合すること。

告示外定住者は上陸審査の対象ではありません

告示外定住者
無断転載を禁ずる

筆者の事務所でも、たとえば「日本人の配偶者等」の在留資格で在留していたが、日本人と離婚された方のご相談をお受けします。
このような状況の方は定住者として認められる可能性がありますが、告示には載っていません。

告示に載っていない方は、日本政府が正面から定住者と認めた方ではないため、「特別な理由」をいかに説得的に伝えるかが勝負となります。

後述しますが、筆者がよくお手伝いする告示外定住の類型はつぎのとおりです。

離婚定住:日本人、特別永住者、永住者と離婚された外国人
死別定住:日本人、特別永住者、永住者と死別された外国人
日本人実子養育定住:日本人の実子の親権を持ち、監護・養育する外国人
日本の義務教育終了者:現在は家族滞在の在留資格を持っており、小学3年以降の義務教育を日本で修了し、日本の高校を卒業した外国人

筆者が多くお手伝いしている定住者の類型

日本人と結婚した外国人の連れ子

日本人と国際結婚し、日本人の配偶者等の在留資格(いわゆる配偶者ビザ)で在留する外国人の連れ子は、定住者告示6号二に該当するときに受け入れ可能性があります。

注意点は、定住者告示6号二に列挙されている条件に加えて、つぎの点を立証することです。

①連れ子を扶養することができる財産的な基盤(収入の額、収入の継続性・安定性)
②外国人配偶者が実子の親権を有すること
③国境を越えた子供の連れ去りを防止する「ハーグ条約」に違反していないことの証明

ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)

1980年に採択されたハーグ条約は、国境を越えた子どもの不法な連れ去り(例:一方の親の同意なく子どもを元の居住国から出国させること)や留置(例:一方の親の同意を得て一時帰国後、約束の期限を過ぎても子どもを元の居住国に戻さないこと)をめぐる紛争に対応するための国際的な枠組みとして、子どもを元の居住国に返還するための手続や国境を越えた親子の面会交流の実現のための締約国間の協力等について定めた条約です。日本人と外国人の間の国際結婚・離婚に伴う子どもの連れ去り等に限らず、日本人同士の場合も対象となります。

(出典)外務省ホームページ  

六 次のいずれかに該当する者(第一号から第四号まで又は第八号に該当する者を除く。)に係るもの
ニ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者、特別永住者又は一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者の配偶者で日本人の配偶者等又は永住者の配偶者等の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子

一方の親の同意なく子供を母国から出国させることはハーグ条約にひっかかるのですね
子供が出国すれば、他方の親は実子に会うことが不可能になるからだね

離婚定住(日本人と離婚した外国人)

離婚定住とは、日本人と国際結婚をして「日本人の配偶者等」の在留資格(いわゆる配偶者ビザ)を有している方が、日本人と離婚をしたときに許可される可能性がある定住者ビザです。

条件は、つぎのとおりです。離婚定住が認められるためには、日本における「定着性」をアピールする以外にありません。
日本語もよくできず、日本での収入も少ない状況ですと、日本で生活するよりも母国で生活した方が本人のためにもなると判断される可能性が高まります。

①日本において、3年以上の正常な結婚生活が継続していたこと
生計を営むに足りる資産または収入があること
③通常の社会生活を営むことができる日本語能力があること
法律上の義務(税・社会保険料の支払い、離婚の届出を含む入管法上の届出義務など)を適切に履行していること

死別定住(日本人と死別した外国人)

死別定住とは、日本人と国際結婚をして「日本人の配偶者等」の在留資格(いわゆる配偶者ビザ)を有している方が、日本人と死別をしたときに許可される可能性がある定住者ビザです。

条件は、つぎのとおりです。死別定住が認められるためには、日本における「定着性」をアピールする以外にありません。
日本語もよくできず、日本での収入も少ない状況ですと、日本で生活するよりも母国で生活した方が本人のためにもなると判断される可能性が高まります。

①日本において、3年以上の正常な結婚生活が継続していたこと
生計を営むに足りる資産または収入があること
③通常の社会生活を営むことができる日本語能力があること
法律上の義務(税・社会保険料の支払い、死別の届出を含む入管法上の届出義務など)を適切に履行していること

日本人の実子を監護・養育する外国人

日本人と離婚・死別した外国人の方で、その日本人との間に子があるときには、この類型で定住者の在留資格が認められる可能性があります。
すなわち、日本人の子があるときには、結婚生活が3年継続していなくても、定住者ビザが認められる可能性があります。

日本人の実子が日本で暮らせるようにするための措置ですから、申請人が定住者として日本で働きつつ、日本人の実子を外国へ送り外国にいる申請人の親族が養育することはできません。

条件はつぎのとおりです。

生計を営むに足りる資産または収入があること
②日本人の実子の親権を持っていること
③現に相当期間実子を監護・養育していること

告示定住者

法務大臣が告示において、定住者と想定される類型として掲げているのは、つぎの方々です。

定住者告示1号:一定の範囲の難民

一 インド、インドネシア、カンボジア、シンガポール、スリランカ、タイ、大韓民国、中華人民共和国、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、東ティモール、フィリピン、ブータン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、モルディブ、モンゴル又はラオス国内に一時滞在している者であって、国際連合難民高等弁務官事務所が国際的な保護の必要なものと認め、我が国に対してその保護を推薦するもののうち、次のいずれかに該当するものに係るもの
イ 日本社会への適応能力がある者であって、生活を営むに足りる職に就くことが見込まれるもの、その配偶者又はこれらの者の子、父母若しくは未婚の兄弟姉妹
ロ この号(イに係るものに限る。)に掲げる地位を有する者として上陸の許可を受けて上陸しその後引き続き本邦に在留する者が当該許可を受けて上陸する直前まで一時滞在していた国に滞在する当該者の親族であって、親族間での相互扶助が可能であるもの

定住者告示2号:削除

定住者告示3号:日系2世または3世

条文にある「日本人の子として出生した者」が日系1世の場合と日系2世の場合があるため、告示3号は日系2世(元日本人の国籍離脱後の実子)と3世(元日本人の国籍離脱前の実子の実子)を受け入れる受け皿です。

三 日本人の子として出生した者の実子(第一号又は第八号に該当する者を除く。)であって素行が善良であるものに係るもの

定住者告示4号:日系3世

四 日本人の子として出生した者でかつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるものの実子の実子(第一号、第三号又は第八号に該当する者を除く。)であって素行が善良であるものに係るもの

定住者告示5号:日系2世、3世の配偶者、日系人でない定住者の配偶者

五 次のいずれかに該当する者(第一号から前号まで又は第八号に該当する者を除く。)に係るもの
イ 日本人の配偶者等の在留資格をもって在留する者で日本人の子として出生したものの配偶者
ロ 一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者(第三号又は前号に掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者及びこの号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中に離婚をしたものを除く。)の配偶者
ハ 第三号又は前号に掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者で一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留するもの(この号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中に離婚をしたものを除く。)の配偶者であって素行が善良であるもの

定住者告示6号:日本人、永住者、特別永住者、1年以上の在留期間の定住者の配偶者の扶養を受ける未成年で未婚の実子

六 次のいずれかに該当する者(第一号から第四号まで又は第八号に該当する者を除く。)に係るもの
イ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者又は日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者(以下「特別永住者」という。)の扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子
ロ 一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者(第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者を除く。)の扶養を受けて生活する当該者の未成年で未婚の実子
ハ 第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者で一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子であって素行が善良であるもの
ニ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者、特別永住者又は一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者の配偶者で日本人の配偶者等又は永住者の配偶者等の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子

定住者告示7号:日本人、永住者、特別永住者、1年以上の在留期間の定住者の扶養を受ける6歳未満の養子

七 次のいずれかに該当する者の扶養を受けて生活するこれらの者の六歳未満の養子(第一号から第四号まで、前号又は次号に該当する者を除く。)に係るもの
イ 日本人
ロ 永住者の在留資格をもって在留する者
ハ 一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者
ニ 特別永住者

定住者告示8号:中国残留邦人関係

八 次のいずれかに該当する者に係るもの
イ 中国の地域における昭和二十年八月九日以後の混乱等の状況の下で本邦に引き揚げることなく同年九月二日以前から引き続き中国の地域に居住している者であって同日において日本国民として本邦に本籍を有していたもの
ロ 前記イを両親として昭和二十年九月三日以後中国の地域で出生し、引き続き中国の地域に居住している者
ハ 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律施行規則(平成六年厚生省令第六十三号)第一条第一号若しくは第二号又は第二条第一号若しくは第二号に該当する者
ニ 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律(平成六年法律第三十号)第二条第一項に規定する中国残留邦人等であって同条第四項に規定する永住帰国により本邦に在留する者(以下「永住帰国中国残留邦人等」という。)と本邦で生活を共にするために本邦に入国する当該永住帰国中国残留邦人等の親族であって次のいずれかに該当するもの
(ⅰ) 配偶者
(ⅱ) 二十歳未満の実子(配偶者のないものに限る。)
(ⅲ) 日常生活又は社会生活に相当程度の障害がある実子(配偶者のないものに限る。)であって当該永住帰国中国残留邦人等又はその配偶者の扶養を受けているもの
(ⅳ) 実子であって当該永住帰国中国残留邦人等(五十五歳以上であるもの又は日常生活若しくは社会生活に相当程度の障害があるものに限る。)の永住帰国後の早期の自立の促進及び生活の安定のために必要な扶養を行うため本邦で生活を共にすることが最も適当である者として当該永住帰国中国残留邦人等から申出のあったもの
(ⅴ) 前記(ⅳ)に規定する者の配偶者
ホ 六歳に達する前から引き続き前記イからハまでのいずれかに該当する者と同居し(通学その他の理由により一時的にこれらの者と別居する場合を含む。以下同じ。)、かつ、これらの者の扶養を受けている、又は六歳に達する前から婚姻若しくは就職するまでの間引き続きこれらの者と同居し、かつ、これらの者の扶養を受けていたこれらの者の養子又は配偶者の婚姻前の子

定住者ビザの更新について

定住者ビザ更新の必要書類は、定住者の類型ごとにまったく異なります。

出入国在留管理庁のホームページで確認しましょう。

出入国在留管理庁ホームページ

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東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート行政書士事務所を開業。業歴は10年を超える。専門は入管法、国籍法。
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