在留資格「特定技能ビザ」とは~制度の仕組み、職種から試験申し込みまで

特定技能の外国人

2019年4月から新たに創設され受入れが開始された「特定技能外国人」。

政府から深刻な人手不足にあると認められた14の産業において、従来は不可能だった「現場で」働く外国人労働者の受け入れが解禁されました。

2021年3月の速報値では、すでに2万2500人超を受け入れています。

この記事では、多くの特定技能案件をサポートしているビザ専門の行政書士が、特定技能制度について、わかりやすく解説します。

目次

廃業、深夜営業中止など人手不足が社会問題化

2020年年初からはじまったコロナ禍で外食業や宿泊業においてはいったん人手不足の問題は沈静化していますが、2019年までの日本は、産業によっては深刻な人手不足に苦しんできました。

深夜営業の人材を確保することができず大手牛丼チェーンが全店舗の6割で深夜営業を中止するなど様々なニュースが連日のように報道されました。
社会のニーズはあるにもかかわらず、人材の確保がままならないために経済がシュリンクしていくという現象は、戦後の日本では経験のない出来事です。

特定技能制度の背景

これは少子高齢化が進み、高度成長期を支えたいわゆる団塊の世代がつぎつぎと現役を引退していく中で起こっていました。

人材を確保しなれば経済がシュリンクする。しかし日本人の人口は増えない。もし経済の規模を維持したいのであれば、人材を海外から入れるしかない。
経済界からの強い要請を受け、これまで現場仕事をする外国人の受け入れを固く拒んできた日本政府も、ついに腰をあげました。それが特定技能制度です。

このような導入の背景から、特定技能で受け入れる外国人(いわゆる特定技能外国人)は、つぎのような特徴をもっています。

特徴①:即戦力としての活用が期待できる

特徴②:原則として通算5年に限り、日本で働くことができる(後述する例外あり)

41万人いる技能実習生

2019年の出入国在留管理庁の統計では、41万人の技能実習生が滞在しています。技能実習制度の目的は、建前上は国際貢献とされています。
しかし現実は高度なスキルを持たない非熟練の外国人労働者を日本の産業に送り込むパイプとして機能してきました。

技能実習制度の詳細は別記事「技能実習生とは」に譲りますが、本来の趣旨とは大きく外れたところで利用されてきた技能実習制度よりも、正面から人手不足の解消手段として創られた特定技能制度の利用が進んでいく可能性があります。

特定技能の制度は、人手不足解消を目的に作られたのですね。

入管法改正による新しい在留資格

在留資格とは、外国人が日本に合法的に滞在するための法的資格のことで、入管法という法律で29種類が定められています。

2019年4月の改正入管法の施行によって、あらたに「特定技能1号」と「特定技能2号」が加わりました。

特定技能制度とは、中小・小規模事業者をはじめとした深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく仕組みのことをいいます(基本方針)。

つぎの図が、法務省が想定している外国人労働者の技能水準です。
相当程度の知識又は経験を必要とする技能」をもつ特定技能1号の外国人の技能水準は、技能実習生よりは上位にあり、従来型の就労資格(技能、技術・人文知識・国際業務、教授など)よりは下位にあります。
いっぽう、「熟練した技能」をもつ特定技能2号の外国人の技能水準は、従来型の就労資格と同位に位置づけられています。

1号特定技能外国人の技能水準が技能実習生よりも上位にあることは、2号技能実習の良好な修了者でなければ技能試験及び日本語試験に合格することなくして特定技能1号へ在留資格を変更することができないという制度設計によって担保されています。

特定技能の技能水準
(出典)法務省

特定技能制度による外国人労働者の受け入れは、原則として、受入企業と外国人労働者の1対1の雇用契約に基づくもので、構造としてはきわめてシンプルです。
外国人を支援するために後述する「登録支援機関」という機関も設けられてはいますが、利用はあくまでも任意とされています。

この点、団体監理型の技能実習制度においては、受入企業、技能実習生のほかに、監理団体、送出機関、外国人技能実習機構の関与が必須であることと対照的です。

特定産業分野とは?

2019年4月の改正入管法施行によって始まった特定技能制度によって外国人労働者の受け入れが可能になった産業分野は2021年5月現在、14産業あります。

これらの産業は、現時点において日本政府により、「深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある」と認められたものであり、具体的には「特定産業分野省令」で定められます。

この産業指定は法律ではなく省令レベルで行なっているため、今後、追加や入れ替えが比較的容易に行われることを意味しています。
今後追加されることが予想されている有力候補の1つが、コンビニエンスストア、いわゆるコンビニ業です。

特定技能1号の対象となる業種・職種

特定技能の職種

特定技能1号で受け入れ可能な「業界」

2021年5月現在において、在留資格「特定技能1号」の対象とされている産業(特定産業分野)はつぎの14分野です。

【厚労省所管】①介護、②ビルクリーニング、【経産省所管】③素形材産業、④産業機械製造業、⑤電気・電子情報関連産業、【国交省所管】⑥建設業、⑦造船・舶用業、⑧自動車整備業、⑨航空業、⑩宿泊業、【農水省所管】⑪農業、⑫漁業、⑬飲食料品製造業、⑭外食業

ご自身の会社が特定産業分野に該当しているかどうか迷われるケースもあるかと思いますが、最終的には「日本標準産業分類」にもとづいて判断されます。

特定産業分野ごとの受け入れ可能な「職種」

特定技能産業分野は上述の14分野とされていますが、この産業内のあらゆる「職種」で受け入れ可能なわけではないことに注意が必要です。

例えば、建設業は特定産業分野ですが、建設業における石材施工、タイル張り、さく井、サッシ施工、防水施工などは、特定技能制度の対象外の職種です。

各特定産業分野における受け入れ可能な職種については、下記の表でご確認いただけます。

所管 分野 従事する業務 受入れ見込数 2020年12月末 達成率
厚労省 介護 ●身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)
※訪問系サービスは対象外〔1試験区分〕
60,000人 939人 1.6
ビルクリーニング ●建築物内部の清掃〔1試験区分〕 37,000人 184人 0.5
経産省 素形材産業 ●鋳造 ●金属プレス加工 ●仕上げ ●溶接 ●鍛造 ●工場板金 ●機械検査 ●ダイカスト ●めっき ●機械保全 ●機械加工 ●アルミニウム陽極酸化処理 ●塗装 〔13試験区分〕 21,500人 1,235人 5.7
産業機械製造業 ●鋳造 ●塗装 ●仕上げ ●電気機器組立て ●溶接 ●鍛造 ●鉄工 ●機械検査 ●プリント配線板製造 ●工業包装 ●ダイカスト ●工場板金 ●機械保全 ●プラスチック成形 ●機械加工 ●めっき ●電子機器組立て ●金属プレス加工 〔18試験区分〕 5,250人 1,248人 23.8
電気・電子情報
関連産業
●機械加工 ●仕上げ ●プリント配線板製造 ●工業包装 ●金属プレス加工 ●機械保全 ●プラスチック成形
●工場板金 ●電子機器組立て ●塗装 ●めっき ●電気機器組立て ●溶接 〔13試験区分〕
4,700人 725人 15.4
国交省 建設 ●型枠施工 ●土工 ●内装仕上げ/表装 ●左官 ●屋根ふき ●コンクリート圧送 ●電気通信 ●トンネル推
進工 ●鉄筋施工 ●建設機械施工 ●鉄筋継手 ●建築大工 ●とび ●配管 ●建築板金 ●保温保冷 ●吹付ウ
レタン断熱 ●海洋土木工 〔18試験区分〕
40,000人 1,319人 3.3
造船・舶用工業 ●溶接 ●仕上げ ●塗装 ●機械加工 ●鉄工 ●電気機器組立て 〔6試験区分〕 13,000人 413人 3.2
自動車整備 ●自動車の日常点検、定期点検整備、分解整備〔1試験区分〕 7,000人 151人 2.2
航空 ●空港グランドハンドリング(地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務等)●航空機整備(機体、装備品
等の整備業務等) 〔2試験区分〕
2,200人 13人 0.6
宿泊 ●宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供 〔1試験区分〕 22,000人 67人 0.3
農水省 農業 ●耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等)●畜産農業全般(飼養管理、畜産物の集出荷・選
別等)〔2試験区分〕
36,500人 2,387人 6.5
漁業 ●漁業【漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等】 ●養殖業【養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理・収獲(穫)・処理、安全衛生の確保等】〔2試験区分〕 9,000人 220人 2.4
飲食料品製造業 ●飲食料品製造業全般【飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生】〔1試験区分〕 34,000人 5,764人 17.0
外食業 ●外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)〔1試験区分〕 53,000人 998人 1.9

 

特定産業分野ごとの受入れ見込み人数と進捗状況

特定技能外国人は無制限に受入れを予定しているのではなく、各特定産業分野ごとに、受入れ見込み人数が決められています。
例えば介護業では6万人の受け入れ予定であるに対し、航空業では2200人の受け入れ予定とされており、大きな差があります。

これは各産業の所管省庁が、特定産業分野ごとに不足している人材の数を割り出したもので、この見込み人数を達成すると、所管大臣が法務大臣に申し入れることにより、その分野における在留資格認定証明書の交付がストップする制度設計となっています。

各特定産業分野ごとの受け入れ見込み人数は上の表に示したとおりで、2020年末の受け入れ実績も併せて表示しています。この図の「達成率」とは、受入れ見込み人数に占める受け入れ実績の割合です。

特定技能制度は準備万端の状況で施行日を迎えたわけではなく、いわば突貫工事で制度が準備され、各種の環境がまったく整わないうちに見切り発車的に始まりました。
このため2019年は技能試験が整備されず、ようやく制度運用が順調に行き始めたころに2020年のコロナ禍となったため、本格的な稼働はまだ始まっていないとさえ言えます。

それでも2020年末には1万5千人を超える特定技能外国人が誕生しています。

特定技能外国人の人数
(出典)法務省

受入達成率は産業ごとにばらつきがあり、産業機械製造業は23.8%に達しているのに対して、ビルクリーニング業と航空業が1%未満の実績です。

特定技能制度においては技能実習制度と異なり、介護と建設業を除いては、企業ごとの受入れ上限人数は設けられていません。
このため、特定産業分野によっては、コロナ後の業績の回復度合いによっては、受入れ枠の奪い合いの状況が生じることも考えられます。

特定技能1号、特定技能2号とは

在留資格「特定技能」は、1号と2号とに分かれています。

特定技能1号:特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格
特定技能2号:特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格

特定技能1号を経ることなくいきなり2号を取得することも法制度上は可能とされていますが、現時点では事実上、特定技能1号で通算5年在留した後に、在留資格変更によって特定技能2号になるルートに限定されています。

なお2020年12月現在は、2号特定技能外国人は誕生していません(ゼロ人です)。

特定技能1号、特定技能2号の違い

「熟練した技能」をもつ2号特定技能外国人の方が、「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」をもつ1号特定技能よりも高い技能水準にあるため、その分、制度上優遇されることとなります。特定技能1号では許されない家族の帯同などが可能になります。

特定技能1号
特定技能2号

特定技能1号、2号の違い①:産業分野

特定技能1号は上述の14の特定産業分野において受入れが可能ですが、特定技能2号は建設業と造船・舶用工業においてのみ受け入れが可能です。

ただし対象となる産業分野については、今後も省令において随時変更される可能性があります。

特定技能1号、2号の違い②:家族の帯同

特定技能1号では家族を帯同することはできません(つまり妻帯者でも単身で来日することとなります。)が、特定技能2号では家族の帯同が可能になります。
ここでいう家族とは配偶者と子を意味し、親は含まれません。

特定技能1号、2号の違い③:在留期間

特定技能1号の外国人は通算で5年を上限として日本での就労が認められるのに対して、特定技能2号の外国人は在留期間の更新申請が許可される限りにおいて、期間の制限なく日本で就労することができます。

1号が通算5年の在留期間に限定されている意味は、技能実習の最大期間5年と合計しても10年を超えないようにし、永住許可申請への道を封じることにあります。
滞在期間が10年を超えないと、原則として永住許可申請の要件を満たしません。

通算5年の制限は特定技能制度の導入にあたって、保守層から「日本が移民国家になってしまう」との懸念が多く表明されたため、これに配慮したものと受け止められています。
ただし1号特定技能外国人であっても、2号へ進んだ場合や、他の在留資格へ変更することが可能であったときは、永住者への道が拓けます。

通算5年のカウント方法

通算5年のカウント方法については「特定技能運用要領」に定められており、つぎの期間を含めて計算します。

1.失業中や育児休暇及び産前産後休暇による休暇期間
2.労災による休暇期間
3.再入国許可による出国(みなし再入国許可による出国を含む。)
4.「特定技能1号」を有する者が行った在留期間更新許可申請又は在留資格変更許可申請(転職を行うためのものに限る。)の特例期間
5.平成31年4月の施行時の特例措置として「特定技能1号」への移行準備のために就労活動を認める「特定活動」で在留していた期間

1.2.4.5.の期間中は日本に在留しているため分かりやすいですが、3は身体は日本に存在しない期間であるため、注意を要します。
在留資格「特定技能」の期間中に再入国許可により一時帰国することは可能ですが、その帰国している期間も通算5年にカウントされます。
再入国許可については、別記事「再入国許可とは」をご確認ください。

特定技能外国人の雇用形態

フルタイム雇用について

特定技能外国人は、省令により、「所定労働時間が、特定技能所属機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等である」ことが求められます(特定技能基準省令1条)。

ここで「通常の労働者」とはフルタイム雇用される労働者を指していることから、特定技能外国人は、原則、フルタイムの正社員として雇用する必要があり(基本方針)、アルバイト採用はできません。

なおフルタイムとは、原則として労働日数が週5日以上かつ年間217日以上であり、かつ、週労働時間が30時間以上であることをいいます(特定技能運用要領)。

直接雇用について

14の特定産業分野のうち、農業と漁業についてのみ、派遣形態での雇用が可能です。
他の産業分野においては、特定技能雇用契約において、特定技能外国人を労働者派遣の対象としない旨を定める必要があります(上乗せ基準告示)。

農業と漁業についてのみ労働者派遣の形態で受入れが可能とされた理由は、季節により作業の繁閑が生じることや、同地域内であっても、作目によっては収穫時期や定植等のピーク時が異なるといった特性があり、繁忙期において労働力を確保する一方、複数の産地間で労働力を融通しあうといった現場のニーズに対応するためと説明されています。

在留資格「特定技能」の取得の要件

特定技能の在留資格はいわゆる就労資格(俗にいう就労ビザ)であることから、特定技能制度そのものは、雇用主と労働者が雇用契約で結ばれるだけの極めてシンプルな構造です。

しかしながら、それぞれの構成要素ごとに、多くの要件が設定されているため、その要件を把握して、1つ1つを立証していく作業が必要となります。
次の項でその要件を確認していきましょう。

特定技能制度の仕組み
無断転載を禁ずる

1号,2号の特定技能外国人に共通して求められる要件

特定技能外国人

特定技能外国人本人に求められる要件はつぎのとおりです。

① 18歳以上であること
② 健康状態が良好であること
③ 退去強制の円滑な執行に協力する外国政府が発行した旅券を所持していること
④ 保証金の徴収等をされていないこと
⑤ 外国の機関に費用を支払っている場合は,額・内訳を十分に理解して機関との間で合意していること
⑥ 送出し国で遵守すべき手続が定められている場合は,その手続を経ていること
⑦ 食費,居住費等外国人が定期に負担する費用について,その対価として供与される利益の内容を十分に理解した上で合意しており,かつ,その費用の額が実費相当額その他の適正な額であり,明細書その他の書面が提示されること
⑧ 分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)

年齢について

労働基準法は18歳未満を年少者とし、一定の保護規定を置いていることを考慮して、特定技能外国人の年齢を18歳以上としています(特定技能運用要領)。

健康状態について

特定技能外国人は、活動を安定的かつ継続的に行うため健康状態が良好であることが必要です(特定技能運用要領)。

退去強制の円滑な執行に協力する外国政府について

現在は法務省告示によりイラン・イスラム共和国のみが特定技能制度から排除されています。

保証金・違約金について

申請人又はその配偶者,直系若しくは同居の親族その他申請人と社会生活において密接な関係を有する者が,特定技能雇用契約に基づく申請人の本邦における活動に関連して,保証金の徴収その他名目のいかんを問わず,金銭その他の財産を管理されず,かつ,特定技能雇用契約の不履行について違約金を定める契約その他の不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約が締結されておらず,かつ,締結されないことが見込まれること。

「保証金の徴収その他名目のいかんを問わず,金銭その他の財産を管理され」ないことについては、特定技能所属機関や登録支援機関のほか、職業紹介事業者などの特定技能雇用契約に基づく特定技能外国人の本邦における活動に関与する仲介事業者のみならず,
本国及び日本の仲介事業者(ブローカー)等を含め,幅広く規制の対象とするものです(このため,本規定は特段主語を規定していません。)。

「不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約」とは,特定技能所属機関から失踪することなど労働契約の不履行に係る違約金を定める契約のほか,地方出入国在留管理局や労働基準監督署などの関係行政機関において法令違反に係る相談をすること,休日に許可を得ずに外出すること,若しくは作業時間中にトイレ等で離席すること等を禁じて,その違約金を定める契約,又は商品若しくはサービスの対価として不当に高額な料金の徴収を予定する契約などが該当します。
これらは技能実習制度において、一部の事案でみられた不正行為が、特定技能制度においても行われることが無いよう類似の規定が設けられました。

費用負担について

特定技能外国人が入国前及び在留中に負担する費用について,その意に反して徴収されることを防止するために,当該外国人が負担する費用の額及び内訳を十分に理解して合意していることを求めるものです。

本国において遵守すべき手続について

特定技能外国人が,特定技能に係る活動を行うに当たり,海外に渡航して労働を行う場合の当該本国での許可等,本国において必要な手続を遵守していることを求めるものです。

各国ごとの手続きについてはリンク先の記事をご確認ください。

食費・居住費・水道光熱費について

食費については,提供される食事,食材等の提供内容に応じて,次のとおり,合理的な費用でなければなりません。
・ 食材,宅配弁当等の現物支給の場合:購入に要した額以内の額
・ 社員食堂での食事提供の場合:従業員一般に提供する場合に特定技能外国人以外の従業員から徴収する額以内の額
・ 食事の調理・提供の場合:材料費,水道・光熱費,人件費等の費用の提供を受ける者(特定技能外国人のみに限られない。)の人数で除した額以内の額

居住費については,自己所有物件の場合,借上物件の場合に応じて,次のとおりでなければなりません。
・ 自己所有物件の場合
実際に建設・改築等に要した費用,物件の耐用年数,入居する特定技能外国人の人数等を勘案して算出した合理的な額
・ 借上物件の場合
借上げに要する費用(管理費・共益費を含み,敷金・礼金・保証金・仲介手数料等は含まない。)を入居する特定技能外国人の人数で除した額以内の額

水道・光熱費については,実際に要した費用を当該宿泊施設で特定技能外国人と同居している者(特定技能所属機関やその家族を含む。)の人数で除した額以内の額でなければなりません。

分野に特有の基準について

農業と漁業以外の産業分野においては、特定技能外国人が労働者派遣の対象となることを内容とする特定技能雇用契約を締結していないことが必要です。

1号特定技能外国人のみの基準

① 必要な技能及び日本語能力を有していることが,試験その他の評価方法により証明されていること(ただし,技能実習2号を良好に修了している者であり,かつ,技能実習において修得した技能が,従事しようとする業務において要する技能と関連性が認められる場合は,これに該当する必要がない)

特定技能評価試験について

特定技能外国人は即戦力として活躍することを期待されているため、従事しようとする業務に必要な相当程度の知識又は経験を必要とする技能を有していることを証明する必要があり、その手段が「特定技能評価試験」です。

特定技能評価試験は各産業分野ごとに、また業界によっては細分化された業務区分ごとに評価試験が定められています。
たとえば介護分野の「介護技能評価試験」は1試験区分ですが、建設分野の「建設分野特定技能1号評価試験」は18の試験区分に分かれています。

なお、特定技能外国人は、同一の業務区分内又は試験等によりその技能水準の共通性が確認されている業務区分間において転職をすることができ、この点、実習先の変更が原則として許されない技能実習生と比較されます。
たとえば、「介護技能評価試験」に合格して技能を証明した特定技能外国人は、介護業界内においてのみ転職が可能であるのに対し、「製造分野特定技能1号評価試験(溶接)」に合格した特定技能外国人は、この試験の合格を要件としている素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業の3つの産業において横断的に転職をすることができます。
転職は可能ですが、指定書に記載された所属機関を書き換える必要があることなどから、在留資格変更許可申請が必要であることに留意しましょう。

試験のスケジュールや試験申し込みについての情報は、試験に特化した別記事「特定技能評価試験とは」をご確認ください。

日本語能力試験について

日本語を学ぶ特定技能外国人

日本語能力については、どの産業区分においても日本語能力試験N4以上の水準が必要で、介護分野についてのみこれに加えて分野別の日本語試験である「介護日本語評価試験」に合格することが必要です。
特定技能制度に使用することができる試験は、日本語能力試験(JLPT)または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)です。

JLPTとJFT-Basicの使い分けや試験のスケジュール、試験申し込みについての情報は、試験に特化した別記事「日本語能力試験とは」をご確認ください。

技能実習2号の良好な修了について

1号特定技能外国人になるためには、即戦力となりうる技能と日本語能力を証明する必要がありますが、技能実習2号を良好に修了したときには、その事実をもって証明することができます。
したがってこの場合には、特定技能評価試験および日本語能力試験を受験する必要がありません。

ここで「良好に修了している」とは、技能実習を2年10カ月以上行い、①技能検定3級等に合格していること、又は②実習実施者が評価調書によって、2号技能実習を良好に修了したと認めたことをいいます(特定技能要領)。

② 特定技能1号での在留期間が通算して5年に達していないこと

1号特定技能外国人の在留期間の上限は通算で5年とされています。

2号特定技能外国人のみの基準

特定技能外国人

2号特定技能外国人は、1号特定技能外国人に対しては必要な「支援」は法律上は求められていません。

① 必要な技能を有していることが,試験その他の評価方法により証明されていること

2号特定技能外国人については、1号特定技能外国人には設けられている、技能実習の良好な修了による試験免除がありません。

② 技能実習生の場合は,技能の本国への移転に努めるものと認められること

技能実習の制度趣旨から、技能実習生が特定技能2号の在留資格を許可されるためには、「技能の本国への移転に努めるものと認められること」が必要です。
立証書面の参考様式が法務省より提示されています。

受入れ企業に求められる要件

特定技能所属機関

特定技能外国人の受入れ企業は、入管法上、「特定技能所属機関」と呼ばれます。

以下に該当していない企業は、特定技能外国人を受け入れることができません。

① 労働,社会保険及び租税に関する法令を遵守していること
② 1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと
③ 1年以内に受入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと
④ 欠格事由(5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等)に該当しないこと
⑤ 特定技能外国人の活動内容に係る文書を作成し,雇用契約終了日から1年以上備えて置くこと
⑥ 外国人等が保証金の徴収等をされていることを受入れ機関が認識して雇用契約を締結していないこと
⑦ 受入れ機関が違約金を定める契約等を締結していないこと
⑧ 支援に要する費用を,直接又は間接に外国人に負担させないこと
⑨ 労働者派遣の場合は,派遣元が当該分野に係る業務を行っている者などで,適当と認められる者であるほか,派遣先が①~④の基準に適合すること
⑩ 労災保険関係の成立の届出等の措置を講じていること
⑪ 雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていること
⑫ 報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと
⑬ 分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)

労働,社会保険及び租税に関する法令を遵守していること

労働関係法令を遵守しているといえるためには、つぎに該当していることが必要です(審査要領)。

1.労働契約が労働基準法を始め労働関係法令に違反していないこと
2.雇用保険及び労災保険の適用事業所である場合には、当該保険に加入し、保険料を納付していること
3.雇用関係の成立のあっせんをした者が存在するときには、あっせんした者が職業紹介の届出を行いもしくは許可を得ていること

社会保険関係法令を遵守しているといえるためには、各保険の適用事業所である場合には、加入手続きを行ない、適切に保険料を納付している必要があります。

租税関係法令を遵守しているといえるためには、国税・地方税を適切な時期に納付していることが必要です。

1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと

特定技能雇用契約の締結の日前1年以内または締結の日以後に、労働者を非自発的に離職させていないことが必要です。
に雇用している国内労働者を非自発的に離職させ、その補填として特定技能外国人を受け入れることは、「深刻化する人手不足に対応する」(基本方針)という特定技能の制度趣旨に沿わないためです。

ここでの「労働者」とは、特定技能外国人に限られず、フルタイムで雇用される日本人労働者、中長期在留者および特別永住者の従業員をいい、アルバイトは含みません。

非自発的に離職させた」とは、つぎの場合をいい、非自発的離職者を1人でも発生させると基準に適合しません(運用要領)。

・人員整理を行うため希望退職の募集または退職勧奨を行った(天候不順や自然災害などを理由とする場合を除く)
・労働条件に係る重大な問題(賃金低下、賃金遅配、過度な時間外労働、採用条件との相違等)があったと労働者が判断したもの
・就業環境に係る重大な問題(故意の排斥、嫌がらせ等)があった場合
・特定技能外国人の責めに帰すべき理由によらない有期労働契約の終了

特定技能雇用契約の締結前1年以内のみならず、特定技能雇用契約の締結後も非自発的に離職者を発生させていないことが求められます。
特定技能外国人の受け入れ後に非自発的離職者を出したときには「受入れ困難に係る届出」が必要で(入管法19条の18第1項、施行規則19条の17第6項)、
雇用されている他の特定技能外国人も在留期間更新許可を受けることができなくなることから、転職等の支援の必要性が発生します(審査要領)。

1年以内に受入れ機関の責めに帰すべき事由により外国人の行方不明者を発生させていないこと

特定技能雇用契約の締結の日前1年以内又はその締結の日以後に、当該特定技能雇用契約の相手方である特定技能所属機関の「責めに帰すべき事由」により、「外国人」の行方不明者を発生させていないこと

ここで「外国人」とは、雇用している特定技能外国人のみならず、技能実習生が含まれます。

責めに帰すべき事由」があるとは、法令違反や基準に適合しない行為が行われていた期間内に、特定技能外国人または技能実習生がが行方不明となった場合をいいます

基準に適合しないことを免れるために、別会社を作った場合は、実質的に同一の機関であると判断して、当該別会社も行方不明者を発生させた機関として取り扱われることがあります。

雇用する特定技能外国人が行方不明となった場合は、「受入れ困難に係る届出」が必要です。

欠格事由に該当しないこと

欠格事由はつぎのものが列挙されています。

・関係法律による刑罰を受けたことによる欠格事由
・実習認定の取消しを受けたことによる欠格事由
・出入国又は労働関係法令に関する不正行為を行ったことに関するもの
・暴力団排除の観点からの欠格事由
・特定技能所属機関の行為能力・役員等の適格性に係る欠格事由

特定技能外国人の活動内容に係る文書を作成し,雇用契約終了日から1年以上備えて置くこと

「活動の内容に係る文書」とは,少なくとも次の事項が記載されていなければなりません。

① 特定技能外国人の管理簿
② 特定技能雇用契約の内容
③ 雇用条件
④ 特定技能外国人の待遇に係る事項が記載された書類(賃金台帳等)
⑤ 特定技能外国人の出勤状況に関する書類(出勤簿等の書類)

雇用する特定技能外国人に対する毎月の報酬の支払状況として,口座振込であれば口座振込明細書を「特定技能外国人の受入れに要した費用の額及び内訳」に係る添付資料として,特定技能外国人の活動状況に関する帳簿に編てつします。

他の法令で作成等が義務付けられているものについては、別途作成する必要はなく、これを特定技能外国人の活動状況に係る文書として備え付けることができます。

保証金の徴収・違約金契約等による欠格事由

特定技能外国人及びその親族等が、保証金の徴収や財産の管理又は違約金契約を締結させられているなどの場合には、そのことを認識して特定技能雇用契約を締結してはいけません。

支援に要する費用を,直接又は間接に外国人に負担させないこと

1号特定技能外国人に対する支援に要する費用(「義務的支援」に係るものに限る。)は,本制度の趣旨に照らし,特定技能所属機関等において負担すべきものであることから,1号特定技能外国人に直接的又は間接的にも負担させてはいけません。

派遣形態による受入れに関するもの

農業、漁業分野において派遣形態で受け入れをおこなうときには、派遣元は当該外国人が従事する特定産業分野に関する業務を行っていることなどが求められるほか、出入国在留管理庁長官と関係行政機関の長との協議により適当であると認められた場合に限られます。

派遣先についても,派遣元である特定技能所属機関と同様に、法令の遵守,一定の欠格事由に該当しないことなどを求められます。

労災保険関係の成立の届出等の措置を講じていること

労災保険の適用事業所である場合には,労災保険に係る保険関係の成立の届出を適切に履行していることが必要です。

雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていること

特定技能所属機関には特定技能雇用契約を確実に履行し得る「財政的基盤」を有していることが求められます。

報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと

報酬の支払方法として預金口座への振込みがあることを説明した上で,当該外国人の同意を得た場合には,預貯金口座への振込み等により行うことを求めるものです。

預貯金口座への振込み以外の支払方法を採った場合には,支払の事実を裏付ける客観的な資料を提出して、出入国在留管理庁長官の確認を受けることが求められます。

分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)

分野ごとに上乗せ基準告示が定められています。

とりわけ介護(2条2号)と建設(3条3項7号)において、他の分野にはない「受入れ人数の制限」が設けられていることに留意してください。

特定技能雇用契約が満たすべき基準

特定技能雇用契約

特定技能外国人と特定技能所属機関が締結する雇用契約は「特定技能雇用契約」と呼ばれ、特定技能基準省令が定める基準に適合する必要があります。

① 分野省令で定める技能を要する業務に従事させるものであること
② 所定労働時間が,同じ受入れ機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること
③ 報酬額が日本人が従事する場合の額と同等以上であること
④ 外国人であることを理由として,報酬の決定,教育訓練の実施,福利厚生施設の利用その他の待遇について,差別的な取扱いをしていないこと
⑤ 一時帰国を希望した場合,休暇を取得させるものとしていること
⑥ 労働者派遣の対象とする場合は,派遣先や派遣期間が定められていること
⑦ 外国人が帰国旅費を負担できないときは,受入れ機関が負担するとともに契約終了後の出国が円滑に なされるよう必要な措置を講ずることとしていること
⑧ 受入れ機関が外国人の健康の状況その他の生活の状況を把握するために必要な措置を講ずることとしていること
⑨ 分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)

受入れ機関自体が満たすべき基準(支援体制関係)

受入機関は、1号特定技能外国人支援計画の適切な実施の確保のため、つぎの基準を満たす必要があります。

ただし、登録支援機関に支援計画の全部の実施を委託するときには、本基準に適合するものとみなされます(入管法2条の5第5項)。
裏を返すと、ここで掲げる基準を受入機関自身で満たすことができないときは、特定技能外国人の受け入れには登録支援機関の利用が必須となります。

① 以下のいずれかに該当すること
ア 過去2年間に中長期在留者(就労資格のみ。)の受入れ又は管理を適正に行った実績があり,かつ,役職員の中から,支援責任者及び支援担当者(事業所ごとに1名以上。以下同じ。)を選任していること
(支援責任者と支援担当者は兼任可。以下同じ)
イ 役職員で過去2年間に中長期在留者(就労資格のみ。)の生活相談等に従事した経験を有するものの中から,支援責任者及び支援担当者を選任していること
ウ ア又はイと同程度に支援業務を適正に実施することができる者で,役職員の中から,支援責任者及び支援担当者を選任していること
② 外国人が十分理解できる言語で支援を実施することができる体制を有していること
③ 支援状況に係る文書を作成し,雇用契約終了日から1年以上備えて置くこと
④ 支援責任者及び支援担当者が,支援計画の中立な実施を行うことができ,かつ,欠格事由に該当しないこと
⑤ 5年以内に支援計画に基づく支援を怠ったことがないこと
⑥ 支援責任者又は支援担当者が,外国人及びその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施することができる体制を有していること
⑦ 分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)

中長期在留者の受入れ実績等に関するもの

①アの「中長期在留者の受入れ又は管理を適正に行った」とは,少なくとも1名以上,就労資格をもって在留する中長期在留者の受入れ又は管理を行っており,その間,入管法,技能実習法及び労働関係法令といった関連法令を遵守していることをいいます。

①イの「生活相談業務」とは、生活に必要な契約に係る支援、生活オリエンテーション,定期的な面談として行う内容に関するものなどをいいます。
相談内容や件数を限定するものではありませんが,業務として行われたことが必要であることから,個人的な人間関係に基づき行う相談(ボランティア活動を含む。 )は,実績とはいえません。
生活相談の対象は,就労資格をもって 在留する中長期在留者に限られています。

①ウに該当するか否かの判断における主な考慮要素としては,本邦に在留する外国人(在留資格を問わない。 )の雇用管理や生活相談を行った実績のほか,支援を適切に行う能力や体制があるといえるような事業実績並びに支援業務に従事する役職員の経験及び保有する資格などの諸事情が挙げられま す。

支援の中立性について

支援責任者及び支援担当者は、支援計画の中立な実施を行うことができる立場の者であることが必要です。

具体的には、当該外国人に対する指揮命令権を有しない者をいいます。組織図を作成した場合に縦のラインにある者は適格性がありません。

支援計画が満たすべき基準

1号特定技能外国人支援計画

特定技能所属機関は、特定技能外国人に対して、職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援(1号特定技能外国人支援)を行う必要があり、この実施に関する計画(1号特定技能外国人支援計画)を作成する必要があります(入管法2条の5第6項)。

1号特定技能支援計画に求められる記載内容は次のとおりであり(特定技能基準省令3条1項)、当該計画は日本語および特定技能外国人が十分に理解することができる言語で作成し、写しを特定技能外国人に交付する必要があります(特定技能基準省令3条2項)。

なお、支援の一内容である事前ガイダンスについては別記事「事前ガイダンスとは」、生活オリエンテーションについては別記事「生活オリエンテーションとは①」「生活オリエンテーションとは②」でくわしくご説明しています。

① 支援計画にア~オを記載すること
ア 支援の内容
・ 本邦入国前に,本邦で留意すべき事項に関する情報の提供を実施すること
・ 出入国しようとする飛行場等において外国人の送迎をすること
・ 賃貸借契約の保証人となることその他の適切な住居の確保に係る支援,預貯金口座の開設及び携帯電話の利用に関する契約その他の生活に必要な契約に係る支援をすること
・ 本邦入国後に,本邦での生活一般に関する事項等に関する情報の提供を実施すること
・ 外国人が届出等の手続を履行するに当たり,同行等をすること
・ 生活に必要な日本語を学習する機会を提供すること
・ 相談・苦情対応,助言,指導等を講じること
・ 外国人と日本人との交流の促進に係る支援をすること
・ 外国人の責めに帰すべき事由によらないで雇用契約を解除される場合において,新しい就職先で活動を行うことができるようにするための支援をすること
・ 支援責任者又は支援担当者が外国人及びその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施し,労働関係法令違反等の問題の発生を知ったときは,その旨を関係行政機関に通報すること

イ 登録支援機関に支援を全部委託する場合は,委託契約の内容等
ウ 登録支援機関以外に委託する場合は,委託先や委託契約の内容
エ 支援責任者及び支援担当者の氏名及び役職名
オ 分野に特有の事項

② 支援計画は,日本語及び外国人が十分理解できる言語により作成し,外国人にその写しを交付しなければならないこと
③ 支援の内容が,外国人の適正な在留に資するものであって,かつ,受入れ機関等において適切に実施することができるものであること
④ 本邦入国前の情報の提供の実施は,対面又はテレビ電話装置等により実施されること
⑤ 情報の提供の実施,相談・苦情対応等の支援が,外国人が十分理解できる言語で実施されること
⑥ 支援の一部を他者に委託する場合にあっては,委託の範囲が明示されていること
⑦ 分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)

登録支援機関とは

登録支援機関
無断転載を禁ずる

特定技能所属機関は、1号特定技能外国人支援計画に基づき1号特定技能外国人支援を行う必要がありますが(入管法19条の22第1項)、支援計画の実施の一部またはすべてを第三者に委託することができます(入管法19条の22第2項)。

契約により委託を受けて1号特定技能外国人支援計画の全部の実施の業務を行う者は、出入国在留管理庁長官の登録を受けることができます(入管法19条の23第1項)。

この登録を受けた者を「登録支援機関」といい、特定技能所属機関が支援計画の実施の全部の委託先として登録支援機関を選択すると、当該特定技能所属機関は、「一号特定技能外国人支援計画の適正な実施」に係る法務省令の基準に適合するものとみなされます(入管法2条の5第5項)。

ただし、登録支援機関に支援計画の実施の全部を委託しても、「特定技能雇用契約の適正な履行」に係る法務省令の基準については、適合がみなされないことに注意してください(入管法2条の5第5項括弧書き)。

登録支援機関についての詳細は別記事「登録支援機関とは」でくわしく解説しています。

届出について

受入れ機関及び登録支援機関は、出入国在留管理庁長官に対し、各種届出を随時又は定期に行うものとされており、受入れ機関による届出の不履行や虚偽の届出については罰則が設けられています。

受入れ機関の届出 ※違反の場合,指導や罰則の対象

【随時の届出】
・特定技能雇用契約の変更,終了,新たな契約の締結に関する届出
・支援計画の変更に関する届出
・登録支援機関との支援委託契約の締結,変更,終了に関する届出
・特定技能外国人の受入れ困難時の届出
・出入国又は労働関係法令に関する不正行為等を知ったときの届出

【定期の届出】
・特定技能外国人の受入れ状況に関する届出(例:特定技能外国人の受入れ総数,氏名等の情報,活動日数,場所,業務内容等)
・支援計画の実施状況に関する届出(例:相談内容及び対応結果等)※支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託した場合を除く
・特定技能外国人の活動状況に関する届出(例:報酬の支払状況,離職者数,行方不明者数,受入れに要した費用の額等)

登録支援機関の届出 ※違反の場合,指導や登録の取消しの対象

【随時の届出】
・登録の申請事項の変更の届出
・支援業務の休廃止の届出

【定期の届出】
・支援業務の実施状況等に関する届出(例:特定技能外国人の氏名等,受入れ機関の名称等,特定技能外国人からの相談内容及び対応状況等)

わからないことは、マイプロがお手伝いします!


東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート行政書士事務所を開業。業歴は10年を超える。専門は入管法、国籍法。
error: