【再入国許可申請】について、「みなし再入国許可」と比較して徹底的に解説します。

再入国許可を得た外国人

再入国許可を受けずに日本を出国すると、たとえ在留期間が残っていたとしても、すべての在留資格は消滅してしまいます。
永住者であっても、特別永住者であっても例外ではありません。

かつては必ず再入国許可を受けてから出国しなければなりませんでしたが、2012年からは再入国許可がみなされる「みなし再入国許可」制度が導入され、日本に中長期在留されている外国人の利便性は格段に高まりました。

しかしながら、再入国許可であれ、みなし再入国許可であれルールをきちんと理解していないと、もともと持っていた在留資格を失うこととなります。永住権も在留資格のひとつですから、例外ではありません(コロナ特例あり)。

この記事では、きちんと知っておかないと後悔することとなる再入国許可の制度について、くわしく解説します。

再入国許可とは(入管法第26条)

再入国許可の証印
(出典)出入国在留管理庁

再入国許可とは、日本に在留する外国人が、在留期間の満了日以前に再び日本に入国する意図をもって出国するときに、法務大臣が出国に先立って与える入国・上陸手続きの簡略化のための許可のことをいいます。

再入国が許可されると、旅券に再入国許可の証印がなされます(入管法26条2項)。
無国籍者などは旅券をお持ちでないため証印ではなく再入国許可書が交付されます。

再入国許可の効果

・再入国許可を事前に受けてから出国することにより、在留資格は出国によって消滅することなく存続することになります。

・再入国の上陸申請のさいに査証(ビザ)が不要となります(入管法6条1項但し書き)。

なお再入国の上陸審査においては、在留資格該当性(入管法7条2号)について審査されることはありませんが、旅券の有効性(入管法7条1号)と、上陸拒否事由(入管法7条4号)については審査されます。

再入国許可を受けていても、有効な旅券を所持していなかったり、上陸拒否事由に該当していれば、上陸できないことがあります。

再入国許可を得ずに出国するとどうなるの?

再入国許可(みなし再入国許可を含む)を得ずに出国すると、永住者、特別永住者の法的地位を含め、すべての在留資格は出国の時点で消滅します。

単純出国するとあらゆる在留資格が消滅しますので、再び来日するときには、原則として新たな査証を取得してから新規入国しなければなりません。
なお、単純出国をすると、在留カードも失効します(入管法19条の14)。在留カードの失効事由についてはリンク先の別記事をご確認ください。

消滅する在留資格に例外はなく、永住者、特別永住者も法的地位を失いますので十分に留意してください。

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 ・在留カードとは?

再入国許可の対象者

入管法上は「本邦に在留する外国人」が申請者とされていますが、再入国許可申請の審査は申請者の「在留状況」や「必要性」等を総合的に勘案して判断されるため、下記の方々は許可されることが難しいとされています。

①出国確認の留保対象者
②外交上の利益や公安を害する者
③短期滞在の在留資格を持つ者
④難民申請中で特定活動の在留資格を持つ者

再入国許可の有効期間

5年を超えない範囲内で定められます。

再入国許可を受けて出国した外国人が、許可の有効期間内に再入国しないときには、再入国許可は失効し、その者の有する在留資格は出国時に遡って消滅します。

つまり、海外にいるうちに再入国許可が期限切れになってしまうと、たとえ永住者の在留資格であっても消滅しますので注意しましょう。

再入国許可の有効期間の延長

再入国許可の有効期間内に再入国することができないことについて相当の理由があると認められれば、1年を超えず、かつ、再入国許可が効力を生じた日から6年を超えない範囲内で、再入国許可の有効期間の延長が許可されることがあります(入管法26条5項)。

再入国許可の有効期間の延長手続きは、ご本人は海外にいらっしゃるわけなので日本の出入国在留管理庁で行なうことはできません。このため延長手続きは日本の在外公館において行います(入管法26条6項)。

再入国許可の種類

再入国許可には1回限りのものと、有効期間内であれば何回でも再入国することができる数次再入国許可とがあります。

かつては多くの人が数次再入国許可を取得していましたが、2012年のみなし再入国許可制度の導入によって、かつてよりは存在意義が薄れています。

再入国許可の申請方法

〇申請時期 出国する前
〇申請者
1申請人本人(日本での滞在を希望している外国人本人)
2申請人本人の法定代理人
3申請人本人が16歳未満の場合又は疾病その他の事由により自ら出頭することができない場合には,その親族又は同居者若しくはこれに準ずる者で地方出入国在留管理局長が適当と認めるもの
 ・疾病の場合,疎明資料として診断書等
 ・理由書(任意様式)
 ・申請人との関係を証明する資料(住民票等)
〇手数料 3,000円(一回限り),6,000円(数次)
〇必要書類
・再入国許可申請書
・在留カード又は特別永住者証明書
・旅券
・旅券を提示することができないときは,その理由を記載した理由書
・身分を証する文書
〇申請先
住居地を管轄する地方出入国在留管理局

再入国許可とみなし再入国許可の比較・違い

  再入国許可 みなし再入国許可
期間 5年以内 1年又は在留期間の満了日
方法 出入国在留管理局で申請 空海港で入国審査官に意図表明
対象者 ・正規の在留資格をもつ者
・特別永住者
・一時庇護のため上陸許可を受けている者
・有効な旅券を持つ者
・中長期在留者は在留カードを持つ者
対象外
①出国確認の留保対象者
②外交上の利益や公安を害する者
③短期滞在の在留資格を持つ者
④難民申請中で特定活動の在留資格を持つ者
(入管法)
・3カ月以下の在留資格を持つ者
・短期滞在の在留資格を持つ者
(入管法施行規則29条の4)
①在留資格取消手続き中の者
②出国確認の留保対象者
③収容隷書の発付を受けている者
④難民申請中の「特定活動」の在留資格を持つ者
⑤出入国の公正な管理のため再入国許可を要すると認めるに足りる相当の理由があると出入国在留管理庁長官が認定する者
手数料 3000円(1回)
6000円(数次)
無料
延長の可否 不可
延長の申請先 在外公館

無断転載を禁ずる

みなし再入国許可(入管法第26条の2)

みなし再入国許可とは、在留資格をもって在留する外国人で有効な旅券(中長期滞在者は旅券と在留カード)を所持している者は、3カ月以内の在留期間の者と短期滞在の在留資格を持つ者を除いて、入国審査官に再び入国する意図を表明して出国すれば、再入国許可を受けたものとみなされるという制度のことをいいます。

みなし再入国許可の対象者

次の方はみなし再入国許可の対象外であると、入管法と入管法施行規則において定められています。

入管法上の適用除外者

・3カ月以内の在留期間が決定されている者
・短期滞在の在留資格を持つ者

入管法施行規則上の適用除外者

①在留資格取消手続き中の者
②出国確認の留保対象者
③収容隷書の発付を受けている者
④難民申請中の「特定活動」の在留資格を持つ者
⑤出入国の公正な管理のため再入国許可を要すると認めるに足りる相当の理由があると出入国在留管理庁長官が認定する者

みなし再入国許可の有効期間

出国の日から1年または在留期間の満了日

海外にいるうちに再入国許可が期限切れになってしまうと、たとえ永住者の在留資格であっても消滅しますので注意しましょう。

みなし再入国許可の有効期間の延長

みなし再入国許可の有効期間は、再入国許可と異なり、在外公館で延長することはできません。
延長ができないことは入管法の明文で定められています(入管法26条の2第3項)。

なお、新型コロナウイルス対応として、永住者について、後述の取り扱いがなされています。

新型コロナウイルスの影響で再入国許可が期限切れとなった永住者に対する救済策

再入国許可の有効期間のルールは上述のとおりであり、入管法という法律で定められているため、たとえ未曽有のパンデミックであっても、公務員である出入国在留管理庁の職員が、これとは異なるルールを勝手に設けることはできません。

このため、出国中に再入国許可の有効期限切れとなったときには、永住者は一時的に永住者の在留資格を失います。また、永住者の在留資格は、入管法上、在留資格認定証明書交付申請の対象外です。

そこで出入国在留管理庁は、令和3年4月16日現在、大要つぎの対応をとっています(詳細は、入管の案内をご確認ください。)。

STEP1 : 入国制限が解除された日の6か月後以降、出入国在留管理庁が別途指定する日までに、居住先の日本国大使館・総領事館に「定住者」の査証申請をします。
STEP2 : 「定住者」の査証が発給されたら、入国時に、日本の空港で「永住者」として新たに入国するための手続をとることができます。

東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート行政書士事務所を開業。業歴は10年を超える。専門は入管法、国籍法。
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