【在留カード】とは? その役割、更新、住所変更から紛失時の対応にいたるまで徹底的に解説します。

在留カードをもつ外国人

更新日 2021年6月26日

目次

はじめに

在留カードは日本に滞在されている外国人のかたの身分証明書として非常に有効かつ重要なものです。

それだけに、他人名義の在留カードを使用すると強制送還になってしまったり、虚偽の住居地を届出ると在留資格が取消しされるなど各種の罰則も設けられており、軽々しく扱うと大変なことになります。

この記事では在留カードとは何か、更新住所変更紛失の手続きはどうするのかなど、在留カードについて余すところなく解説します。

大切なものだけに、ルール違反には厳しい罰則もあるのね。

在留カードとは

在留カードとは、出入国在留管理庁長官が、日本の「中長期在留者」に対して交付する、在留管理の最も基本となるカード形式の公文書をいいます。

在留カード,表,
表面
在留カード,裏,
裏面

在留カードは上陸許可のとき、在留資格の変更許可のとき、在留期間の更新許可のときなど在留許可のタイミングで交付されます。英語では「Residence Card」といい、永住者も日本の中長期滞在者ですので、在留カードを所持しています。

在留カードの対象者

在留カードが交付される「中長期滞在者」とは、次の方々です(入管法19条の3)。
短期滞在者や不法滞在者、特別永住者証明書が交付される特別永住者には在留カードは交付されません。

無断転載を禁ずる

同じ在留資格で滞在する外国人であっても、3カ月以下の在留期間であるときには在留カードは交付されず、3カ月を超える在留期間であれば在留カードが交付されます。

在留カードの有無
無断転載を禁ずる

在留カードの果たす役割

在留カードは在留カードに記載された内容で適法に滞在していることの「証明書」であり、各種在留許可の「許可証」としての役割をもちます。

顔写真が貼付されている公文書であることから、外国人の「身分証明書」として使われており、例えば銀行での口座開設などの手続きにおいて「本人確認書類」のひとつとして求められます。

重要な身分証明書だけに、常時携帯義務が課せられていますね。
在留カードの携帯義務と提示義務については、別記事でくわしく解説しています!

在留カードの記載事項(入管法19条の4第1項)

在留カードには、氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、在留期間、在留期間の満了日(在留期限)、許可の種類及び年月日、在留カードの番号・交付年月日及び有効期間の満了日、就労制限の有無、資格外活動許可を受けているときにはその旨、写真が記載されます。

在留カードの記載内容
(出典)出入国在留管理庁

在留カードには偽変造防止のためにICチップが搭載されていて、カード面に記載された事項の全部または一部が記録されます。

在留カードの記載事項:写真

16歳以上中長期滞在者の在留カードには写真が表示されており、16歳未満の中長期滞在者は写真なしの在留カードを持っています。

在留カードが交付される在留申請・届出の際には、次の大きさの写真を申請書に貼付します。
コンビニなど店舗や駅などに設置されている証明写真撮影機が便利です。

在留カードの写真の規格

在修カードの写真
(出典)出入国在留管理庁

・写真のサイズ・大きさ:縦4センチメートル,横3センチメートル
・申請人本人のみが撮影されたもの
・縁を除いた部分の寸法が,左記図画面の各寸法を満たしたもの
 (顔の寸法は,頭頂部(髪を含む。)からあご先まで)
・無帽で正面を向いたもの
・背景 (影を含む。)がないもの
・鮮明であるもの
・提出の日前3か月以内に撮影されたもの
・裏面に氏名が記載されたもの

(注)
・前髪で目元が見えないものは認められません。
・メガネのフレームが目にかかっている、眼鏡のフレームが非常に太い写真、眼鏡のフレームが非常に太い、照明が眼鏡に反射しているものは認められません。
・マスクで顔の一部が隠れている、顔が布で覆われ影ができているものは認められません。

在留カードの記載事項:氏名

ローマ字で表記され、漢字圏出身者の場合は、申し出があるときに漢字表記の氏名を併記することができます。

氏名の表記に使われる漢字は法務大臣が告示で定められており、中国の簡体字や台湾の繁体字は日本の正字で表記されます。

在留カードの記載事項:住居地

住居地とは日本における生活の本拠を意味し、中長期間継続して居住することを条件にホテルや旅館は認められますが、道路や公園は認められません。

在留カードの記載事項:在留資格

在留資格とは、外国人が日本に適法に滞在するための法的資格のことをいいます。現在は、29種あり、入管法の別表で定められています。在留資格ごとに日本で可能な活動の内容が異なります。

大別すると、就労目的の在留資格(別表第一の1、一の2)、非就労目的の在留資格(別表第一の3、一の4)、法務大臣が活動の内容を指定する在留資格(別表第一の5)、身分又は地位に基づく在留資格(別表第二)の6つに分かれます。
別表第一の1と一の2、別表第一の3と一の4は、それぞれ上陸許可基準の有無で分類されています。

在留カードの記載事項
(出典)出入国在留管理庁

在留カードの記載事項:在留期間

在留期間とは、在留資格の有効期間のことをいいまず。在留資格の種類は入管法という法律の別表で定められているのに対し、在留期間は入管法施行規則の別表で在留資格ごとに定められています。

在留カードの記載事項
(出典)出入国在留管理庁
在留カードの記載事項
(出典)出入国在留管理庁

在留カードの記載事項:在留期間の満了日(在留期限)

在留期間の満了日は、民法の原則である「初日不算入」で計算され、在留カードの表面に記載されます。

在留カードの記載事項

在留カードの記載事項:在留カードの有効期限

在留カードの有効期間の満了日は、在留資格の満了日とは異なります。在留カードは経年劣化するため、「無期限」の在留資格である永住者の在留カードにも有効期間は設定されています。

在留カードの記載事項

在留カードの更新(入管法19条の11)

在留期間の更新と何がちがうのか

在留カードには(在留期限とは別に)カードの有効期間が設けられており、期限切れになる前に更新することが必要ですが、在留カードの有効期間が在留期間の満了日とされているときには、在留許可に伴い「許可証」として新しい在留カードが交付されるため、在留カードの更新手続きを別途行なう必要はありません。

在留カードの有効期限

■永住者
16歳以上の方 交付日から7年間
16歳未満の方 16歳の誕生日まで

■永住者以外
16歳以上の方 在留期間の満了日まで
16歳未満の方 在留期間の満了日又は16歳の誕生日のいずれか早い日まで

在留カードの更新は出入国在留管理局へ出頭して行い、オンラインではできません。

在留カードの更新はいつからできるのかなど詳しい情報は、別記事「在留カードの更新」でくわしく解説しています。

カードの更新と、在留期間の更新は別ものなんですね。
カードは経年劣化するから、定期的に新しいものに交換する必要があるよね。

在留カードの再交付(入管法19条の13)

紛失、盗難、滅失その他の事由により在留カードの所持を失った時は、その事実を知ったときから14日以内に再交付の申請をする必要があります。

出入国在留管理局に出頭して行います。市役所などの市区町村役場で行なうのではありません。また、郵便やオンラインで行なうこともできません。

在留カード再発行の必要書類

・在留カード再交付申請書
・写真 ※16歳未満の方は,写真の提出は不要です。
・所持を失ったことを証する資料
 ・警察による遺失届出証明書,盗難届出証明書
 ・市区町村長によるり災証明書
・在留カード漢字氏名表記申出書(漢字氏名の併記を希望する場合に限る。)
・旅券
・資格外活動許可書を提示(同許可書の交付を受けているものに限る。)
・身分を証する文書等の提示

在留カードの失効(入管法19条の14)

在留カードはつぎのいずれかの場合には失効します。

① 中長期在留者でなくなつたとき。
② 在留カードの有効期間が満了したとき。
③ 再入国許可を受けず単純出国したとき。
④ 再入国の許可の有効期間内に再入国をしなかつたとき。
⑤ 新たな在留カードの交付を受けたとき。
⑥ 中長期在留者が死亡したとき。

在留カードの返納(入管法19条の15)

在留カードが失効した時には、法務大臣に対し、在留カードを返納する必要があります。

① 中長期在留者でなくなつたとき。・・・14日以内
② 在留カードの有効期間が満了したとき。・・・14日以内
③ 再入国許可を受けず単純出国したとき。・・・直ちに
④ 再入国の許可の有効期間内に再入国をしなかつたとき。・・・14日以内
⑤ 新たな在留カードの交付を受けたとき。・・・直ちに
⑥ 中長期在留者が死亡したとき。・・・14日以内

在留カードの住所変更(入管法19条の9第3項)

中長期滞在者は、住居地を変更したときは、入管ではなく市区町村役場で、新住居地を届出る必要があります。

なお市区町村役場で在留カードを提出して転入届、転居届をしたときには、入管法所定の住居地の届出とみなされます(入管法19条の9第3項)。

届出があった時には、市区町村長は法務大臣に届出内容を伝達します(入管法施行令2条6号)。

在留カードの裏面に新しい住居地が記載されます。

在留カードの住居地
(出典)出入国在留管理庁

【転入届】

〇どこで(届出地):新住居地の市区町村役場
〇届出人:本人、本人以外は世帯主、同居家族、代理人(委任状が必ず必要です)
〇必要なもの:
 ・転出証明書
 ・在留カード
 ・届出人の本人確認書類
 ・認印(本人の届出の場合は不要)

住居地の届出と在留資格取消(入管法22条の4第1項)

住居地の届出は、適切に行いませんと、在留資格を取り消されることとなります(入管法22条の4第1項)。

9号の在留資格取消事由:90日以内に新住居地の届出をしない

正当な理由なく、退去した時から90日以内に新住居地の届出をしないときは、在留資格が取り消される可能性があります。忘れないようにしましょう。

10号の在留資格取消事由:虚偽の住居地の届出

住居地の届出において虚偽の住居地を届出ると、在留資格が取り消されます。

住居地以外の記載事項の変更

在留カードの記載事項である「住所」の変更は市区町村役場で行いますが、氏名、性別、生年月日、国籍・地域を変更する届出は入管で行います。

〇届出時期:記載事項に変更が生じた日から14日以内
〇届出者:
 ・本人(16歳未満の者を除く)
 ・代理人
(1)届出人人本人が16歳に満たない場合又は疾病その他の事由により自ら出頭して届け出ることができない場合には,届出人本人と同居 する16歳以上の親族
(2)届出人本人の依頼による本人と同居する16歳以上の親族

〇手数料:無料

〇必要書類
・届出書
・写真 ※16歳未満の方は,写真の提出は不要です。
・記載事項に変更を生じたことを証する資料
1 婚姻により氏名を変更した場合
氏名変更後の記載のなされた旅券及び結婚証明書(日本人と結婚した場合は戸籍謄本)
2 国籍・地域を変更した場合
新たに国籍を取得した国の旅券等(以前の旅券を所持している場合は以前の旅券も持参してください。)
3 その他の事由により氏名等を変更した場合
変更後の氏名等が記載された旅券及び出生証明書,氏名等を変更したことに係る判決書等
・在留カード漢字氏名表記申出書(漢字氏名の併記を希望する場合に限る。)
・旅券
・現に有する在留カードを提示
・身分を証する文書等の提示

在留カードにまつわる法令違反

在留カードの携帯義務と提示義務

携帯義務とは(75条の3)

在留カードの常時携帯義務(23条2項)に違反したときは、20万円以下の罰金となります。

ただし16歳未満の方には在留カードの携帯義務はありません(23条5項)。

提示義務とは(75条の2)

入国審査官、入国警備官、警察官等が在留カードの提示を求めたときはこれを提示しなければならず、拒否すると1年以下の懲役または20万円以下の罰金となります。

在留カードの提示義務は、「持っているが、見せたくない」という主張を封じるための条文です。

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 ・在留カードの携帯義務違反について

在留カードの偽変造等(退去強制事由)

つぎのいずれかの行為を行い、唆しまたはこれを助けた者は、退去強制となります(入管法24条3号の5)。

イ 行使の目的で、在留カードを偽・変造し、または偽・変造在留カードを提供し、収受し、若しくは所持すること。
ロ 行使の目的で、他人名義の在留カードを提供し、収受し、若しくは所持し、又は自己名義の在留カードを提供すること。
ハ 偽・変造の在留カード又は他人名義の在留カードを行使すること。
ニ 在留カードの偽・変造の用に供する目的で、器械又は原料を準備すること。

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在留カードの有効性の確認

在留カード番号の有効性の確認

出入国在留管理庁のホームページ上では、在留カード番号の有効性を確認することができる「在留カード等番号失効情報照会」ページを設置しています。この画面上で在留カード等の番号と有効期間を入力すると、当該番号が有効か又は有効でないかについて確認できます。

しかしながら、これはあくまでも「番号」の有効性確認であり、「カード」の有効性確認ではないことに留意します。なぜなら、在留カードを偽変造する折に、実在する在留カード番号を記載した場合には、見抜くことができないからです。

〇出入国在留管理庁:在留カード等番号失効情報照会

在留カードの有効性の確認

在留カード番号ではなく、在留カードそのものの有効性を確認する手段としては、つぎの方法があります。外国人雇用をされる企業のかたは、不法就労の外国人を採用して不法就労助長罪に問われることのないよう、十分に調査することが求められます。

最近では、ウーバーイーツの日本法人及びその代表者とコンプライアンス部門長が、多くの不法滞在の外国人を配達員として雇用したとして書類送検されましたが、報道によると、ウーバーイーツはインターネット上で在留カードの画像は確認していたものの、不法滞在者は他人名義の在留カードの画像を使用していたとのことです。

このような事態を避けるためには、在留カードの形式的な確認ではなく、対面での面談において在留カード原本の提示を受け、目の前にいる人物と目で照合するなどの実質的な確認が必要となります

不法就労助長罪については、別記事「不法就労助長罪とは」でくわしく解説しています。

在留カードの有効性確認
(出典)出入国在留管理庁
在留カードの原本の提示をうけないと確認できないことが沢山ありますね。

在留カードの更新については、別記事でくわしく解説しています!


 

東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート行政書士事務所を開業。業歴は10年を超える。専門は入管法、国籍法。
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