コンビニの外国人店員さんの多種多様な「オモテの顔」~そのガイジンさんは何しに日本へ?

コンビニで働く外国人

更新日 2021年6月15日

最近、自宅や職場ちかくのコンビニで、外国人のアルバイト店員さんを見かける機会が増えてきましたよね?

コンビニ外国人

いつも眠そうで態度の悪い方もいるかもしれませんが、日本のトップラスの大学院で学ぶ3か国語を操るようなすごい人材が紛れていることも。

彼らは留学生であることが多いですが、ワーキングホリデー中であったり、難民申請中であったりすることもあります。
日本人と結婚していることもありますし、永住者であることもあるでしょう。

この記事では、コンビニで働く外国人店員さんがもつ、さまざまな「オモテの顔」をご紹介します

コンビニを通して、日本のダイバーシティを感じてみてください。

コンビニは日本にある外国人コミュニティーの縮図ともいえそうね。

コンビニ外国人店員さんのオモテの顔①:留学生

コンビニで働く外国人

外国人留学生在籍状況調査によると、2020年5月現在の外国人留学生数は27万9,597人(対前年比32,617人(10.4%)減)でした。
日本への留学生数の多い国・地域は中国121,845人、ベトナム62,233人、ネパール24,002人となっています。

若い外国人のコンビニ店員さんで、中国人、ベトナム人、ネパール人あたりの国籍に見うけられる場合には、留学生である可能性が高いでしょう。

留学生がもつ「留学」の在留資格は本来は就労禁止なのですが、資格外活動許可という特別の許可を得ると、日本で週28時間まで(長期休暇のときは1日8時間まで)アルバイトをすることができます。
資格外活動許可を取得すれば、風俗営業等以外の業種であれば、基本的に業種は問わないため、もちろんコンビニバイトをすることもできます。

ちなみに留学生がアルバイトすることができない風俗営業は性風俗に限られないため、パチンコ屋さんやキャバクラ、バーなどで働くことはできません。

留学生がどんな条件でアルバイトをすることができるのかについては別記事「資格外活動許可とは」でわかりやすく解説しています。

留学生には時間制限があるけれど、アルバイト先の職種に関する制限はほとんどないのよね。

コンビニ外国人店員さんのオモテの顔②:ワーキングホリデー中

コンビニ外国人

日本に約30万人いる留学生よりも出会う確率は少ないですが、日本に約1万5千人いるのがワーキングホリデーで日本に滞在している外国籍の若者です。

ワーキング・ホリデー制度とは、二国間の取決めに基づいて、各々が相手国の若者に対し、休暇目的の入国と滞在期間中における付随的な就労を認める制度です。
ワーキングホリデーは、他国の文化や一般的な生活様式を理解する機会を若者に提供し、もって二国間の相互理解を深めることを趣旨としています。

留学生の本分が学業であるのに対し、ワーキングホリデー中の外国人は現在休暇中であり、滞在資金を補うためにアルバイトをすることができます

2020年4月1日現在、日本は以下の26か国・地域との間で同制度を導入していますので、もしこれらの国籍の外国人アルバイトであれば、ワーキングホリデー中である可能性もあります。

【ワーキングホリデーで来日することができる国・地域】
オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国、フランス、ドイツ、イギリス、アイルランド、デンマーク、台湾、香港、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、オーストリア、ハンガリー、スペイン、アルゼンチン、チェコ、チリ、アイスランド、リトアニア、スウェーデン、エストニア、オランダ

ワーキングホリデーでのアルバイトも職種を問わないから、コンビニで働くことができるわね。

コンビニ外国人店員さんのオモテの顔③:難民申請中

コンビニ外国人

例年は1万人程度の難民申請者がいますが、2020年に難民認定申請を行った外国人は3,936人であり、前年に比べて6,439人(約62%)減少しました。
申請者が前年の4割にまで減少したのはコロナ禍で短期ビザで来日する外国人の数が減ったためと思われます。
しかしコロナ禍が落ち着いて再び外国との往来が再開されるようになれば、2019年の水準にまで戻って来る可能性が高いでしょう。

難民申請中の外国人のすべてが就労を許可されているわけではありませんが、入管から就労を許可されている難民申請中の外国人が相当数います。入管から就労を許可されているときは、職種に制限を設けないことが通常ですので、コンビニでアルバイトをすることもできます。

難民申請者の主な国籍はトルコ、ミャンマー、ネパール、カンボジア、スリランカとなっていますので、コンビニであるバイトをしている外国人店員さんがこれらの国籍国であるときは、そのかたが難民申請中である可能性もあります。

かつて社会問題にもなりましたが、実際に難民の方もいらっしゃるので、日々の生活のためにアルバイトが認められています。

コンビニ外国人店員さんのオモテの顔④:日本人の配偶者

コンビニ外国人

日本人と結婚した外国人が「日本人の配偶者等」の在留資格(いわゆる配偶者ビザ)を取得すると、時間制限と業種の制限なく自由に就労することができますから、もちろんコンビニでアルバイトをすることもできます。

日本人男性と結婚した外国人女性の場合、日本人男性がフルタイムで就労しているケースが多いと思われますので、家計の足しにするかお小遣い稼ぎ、または母国への仕送りのためにアルバイトしているのかもしれません。

日本人と国際結婚をすると、自由に仕事ができます。

コンビニ外国人店員さんのオモテの顔⑤:永住者、永住者の配偶者

日本の永住者またはその配偶者(永住者の配偶者)は、時間制限と業種の制限なく自由に就労することができますので、もちろんコンビニでアルバイトすることもできます。

就労ビザから永住ビザになった外国人のかたの場合には、10年近く日本で定職に就いていた可能性が高いので、コンビニでアルバイトしている可能性は小さいかもしれません。
コンビニのアルバイト店員さんとして出会う外国人のかたの場合、永住者の配偶者である可能性のほうが高いでしょう。

日本人と結婚し配偶者ビザから永住者となった方は、アルバイトをしている人も多いです。

コンビニ外国人店員さんのオモテの顔⑥:家族滞在の外国人

コンビニ外国人

家族滞在の在留資格で日本に滞在している外国人は、就労ビザで働いている外国人の配偶者またはその子どもです。就労ビザで働いている外国人の親は家族滞在の在留資格を取得して来日することはできません。

たとえば日本人が仕事でアメリカに赴任するときには、奥さんやお子さんも一緒に連れていくことができますよね?
それと同じく、日本で就労ビザで働く外国人は、その配偶者や子を日本に帯同させることができます。その人たちがもっている在留資格が「家族滞在」です。

家族滞在の在留資格の場合、資格外活動許可を得れば、週に28時間までアルバイトをすることができます。
家族滞在の在留資格をもつ16歳以上の外国人は日本に約11万人いますので、コンビニのアルバイト店員さんとして出会う可能性も高いでしょう。

なお、日本政府から高度人材と認められている外国人の配偶者は、「特定活動」という在留資格で職種は限られますがフルタイムでの就労が認められています。これは少しでも多くの高度人材が日本で働いてくれるように促すための優遇策です。

コンビニ外国人店員さんがアルバイトではなく社員さんである可能性はありますか?

コンビニ外国人

もちろんあります。永住者日本人の配偶者等の在留資格をお持ちの外国人は就労に制限がありませんので、どんな業種でどんな職種で働くこともできるからです。

従来はコンビニの店内で働く従業員が日本の就労ビザを取得することは非常に困難でした。非熟練労働が部分的にであっても含まれる仕事には、就労ビザは許可されなかったからです。
したがって現在でも、就労ビザを取得した外国人がコンビニの店内で社員として働かれている可能性は非常に低いでしょう。

ところが2019年5月より、「特定活動46号」という部分的に非熟練労働が含まれても良いという在留資格のカテゴリーが誕生しました。
これにより、日本語能力が高く日本の大学を卒業した外国人については、社員としてコンビニで働く選択肢が生まれました。

特定活動46号については、別記事「特定活動46号とは」で詳しく解説していますのでご興味のある方はご覧ください。

他の就労ビザをもつ外国人が、休みの日にコンビニバイトをすることはできますか?

コンビニ外国人

制度上絶対にできないとは言えませんが、まずできないでしょう。

就労ビザをお持ちのかたが会社が休みの土日などを利用してコンビニでアルバイトをするためには、出入国在留管理局にたいして会社名や事業内容を特定して資格外活動許可を求め、許可されなければなりません。
これは留学生が申請する資格外活動許可の「包括許可」と異なり、「個別許可」という資格外活動許可の申請方法になります。

留学生がコンビニでアルバイトをするよりも、就労ビザをお持ちの外国人がコンビニでアルバイトをするほうが、制度上のハードルが高いのです。くわしくは別記事「資格外活動許可」で解説しています。

増え続けるコンビニと、人手不足を解消するための外国人従業員

1983年に日本に6308店あったコンビニエンスストアの数はうなぎ登りに増え続け、2021年3月時点では5万5828店となっています。

コンビニでのアルバイトが留学生に人気である理由は、日本人学生とほぼ同じです。

コンビニが身近な存在であり、仕事の内容に想像が及ぶこと、近所にあるので通いやすいこと、店舗運営はフランチャイズであったとしても母体が上場企業であり知名度と安心感があること、
24時間営業なので自分が好きな時間帯に働くことができること、屋内での勤務であり重労働ではないこと、
ファストフードよりも同時間帯に働く同僚の人数が少なくその分だけ人間関係がラクであること、などなどです。

いっぽう、外国人特有の希望理由もあります。

お客さんと接する機会がレジ業務くらいなので、日本語能力に自信がなくてもなんとかやっていけそうであることなどです。

コンビニの業界団体は、コンビニ業界における深刻な人手不足の解消のため、つぎの3つの政策提言をしています。

1.留学生が資格外活動許可で働くことができる法定の制限時間を現行の週28時間から増やす
2.コンビニ業界を技能実習制度の対象とする
3.コンビニ業界を特定技能制度の対象とする

このうち最も実現の可能性が小さいと思われるのが上記1の資格外活動許可の法定の制限時間の増加です。
なぜなら日本政府は、外国人に限らず日本人についても、常勤職員・非常勤職員の区別のラインを週30時間に設定しているからです。
週28時間よりアルバイト時間を増やすことを認容すれば、常勤でその仕事をしていることとなり、他の制度との整合性がとれなくなってしまうのです。

 【よく一緒に読まれている人気の記事】

  ・留学生のアルバイト時間はなぜ週28時間までに設定されているのか

逆に最も可能性があるのはコンビニ業界を特定技能制度の対象とすることです。深刻な人手不足の状況にあることを政府が認めれば、比較的容易に特定技能制度の対象となります。
法改正の必要もなく、行政府の判断だけで対象となることができます。

 【よく一緒に読まれている人気の記事】

  ・特定技能について

コンビニで働く外国人は、今後もさらに増えていく可能性があるでしょう。

コンビニの外国人従業員比率は6.8%

そもそも、コンビニにはどのくらいの割合で外国人従業員がいるのでしょうか?

毎日新聞の報道をもとに弊社で計算したところ、大手コンビニ4社の外国人従業員の割合は6.8%となっています。

こちらは全国平均の数値ですが、住居は郊外に、職場は都心部にある記者の肌感覚では、都心部ではもっと割合が高い印象です。

コンビニで働く外国人の割合
コンビニという職場はいち早く国際化していますが、フルタイムの職場の同僚が外国人であることも最近は増えています。

外国人雇用のご相談はマイプロまで!


 

東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート行政書士事務所を開業。業歴は10年を超える。専門は入管法、国籍法。
error: