【国別】留学生をアルバイトとして雇用したときの源泉徴収(所得税・住民税)は、どのようにすればよいですか?

更新日 2021年6月15日

留学生のアルバイト代にも原則として所得税がかかりますが、その計算方法は、留学生が居住者か非居住者であるかによって変わります。

また、留学生の国籍国と日本とが租税条約をむすんでいるときには所得税の全部または一部が免除されるときがありますが、同じ国籍国であっても通う学校の種別によって対応が異なります。

この記事では、留学生のアルバイト代にかかる源泉所得税について、その適切な処理について解説します。

留学生のアルバイを可能にする資格外活動許可については、インターンシップなどに活用される週28時間を超えてはたらくことができる「個別許可」があることや、卒業と同時に資格外活動許可が失効することなど細かなルールが共有されていないことも多いです。詳しくは別記事「資格外活動許可とは」をご確認ください。

目次

原則:留学生のアルバイト代にも所得税がかかる

居住者・非居住者の定義

日本の所得税法では、雇用する外国人が居住者非居住者かによって税の計算方法が異なりますので、まずはこのどちらであるかを判別します。

居住者」とは、国内に住所を有し、又は、現在まで引き続き1年以上居所を有する個人をいいます。
非居住者」とは、居住者以外の個人と規定されています。

したがって、所得税法上の非居住者とは、つぎのいずれかであることになります。

・日本国内に住所を有していない人
・日本国内に住所を有していないが居所を有していて、その引き続き有している期間が1年に満たない人

ここで所得税法上の
「住所」とは、個人の生活の本拠をいい、生活の本拠かどうかは「客観的事実によって判定」されます。
「居所」とは、その人の生活の本拠ではないが、その人が現実に居住している場所とされています。

日本企業でアルバイトを希望する留学生が、日本に生活の本拠(=住所)がないことはまれであると思いますので、多くは所得税法上の居住者に該当するでしょう。
まずは在留カードで在留期間を確認し、判断の参考にします。

有効な在留カードを持っていれば、住所があるということを意味します。

居住者・非居住者の源泉所得税の計算方法

居住者の源泉所得税

留学生アルバイトが居住者であるときには、日本人アルバイトと同じく、給与所得の源泉徴収税額表にもとづいて源泉徴収をおこないます。

非居住者の源泉所得税

留学生アルバイトが非居住者であるときには、20.42%で源泉徴収をおこないます。

原則は、給与所得の源泉徴収税額表にもとづいて源泉徴収すればよいのね

例外:租税条約により所得税が免除されることも

ここからは「例外」のお話ですが、留学生の多くを占める中国人留学生も該当することがある例外なのでかならず確認する必要があります。

租税条約とは、国際的な二重課税、脱税及び租税回避等を排除することを目的として二国間で締結する条約のことをいいます。

租税条約は国際法なので国内法である所得税法に優先して適用されます

このため、日本と留学生アルバイトの国籍国とのあいだに租税条約が締結されているときには、その内容に従い、所得税の全部または一部が免除されることがあります

ただし、租税条約で規定する「学生」とは、日本の学校教育法第1条に規定する学校(高等学校、大学等)を意味するとされていることから、専門学校日本語学校にかよう留学生には租税条約は適用されず、原則に戻って所得税を源泉徴収することになります。

国籍だけでなく、通っている学校によっても扱いが異なるのね

中国人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

学校教育法1条に規定する学校(大学等)に通う中国人留学生については、租税条約の適用があります。
一方、専門学校や日本語学校に通う中国人留学生は条約上の「学生」でないことから租税条約の適用がありませんので、原則に戻って所得税を源泉徴収します。

日中租税協定第21条
専ら教育若しくは訓練を受けるため又は特別の技術的経験を取得するため一方の締結国内に滞在する学生、事業修習者又は研修員であって、現に他方の締結国の居住者であるもの又はその滞在の直前に他方の締結国の居住者であったものがその生計、教育または訓練のために受け取る給付または所得については、当該一方の締結国の租税を免税する。

免税の対象が「国外から支払われるもの」に限定されていないことから、日本国内で支払われるアルバイト代が「生計、教育または訓練のために受け取る給付または所得」である限りにおいてはすべて免税になるものと解されます。

租税条約の適用により源泉徴収の免除を受けるためには、留学生が「租税条約に関する届出書」を作成し、最初の給与の支払い日の前日までに、給与支払者を通じて所轄税務署に提出する必要があります。
免除対象であるにもかかわらず源泉徴収をされたときには、後日、5年以内に「租税条約に関する届出書」と「租税条約に関する源泉徴収額の還付請求書」を税務署に提出することにより、還付を受けることができます。

ベトナム人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

学校教育法1条に規定する学校(大学等)に通うベトナム人留学生については租税条約の適用がありますが、租税条約では、免税の対象が「国外から支払われるものである場合」に限られているため、日本国内で支払われるアルバイト代は一切免税されません。よって、原則に戻って所得税を源泉徴収することになります。
一方、専門学校や日本語学校に通うベトナム人留学生は条約上の「学生」でないことから租税条約の適用がありませんので、こちらも原則どおり所得税を源泉徴収します。

日越租税協定第20条
専ら教育又は訓練を受けるため一方の締結国内に滞在する学生又は事業修習者であって、現に他方の締結国の居住者であるもの又はその滞在の直前に他方の締結国の居住者であったものがその生計、教育又は訓練のために受け取る給付については、当該一方の締結国の租税を免税する。ただし、当該給付が当該一方の締結国外から支払われるものである場合に限る。

結論として、ベトナム人留学生の場合は、大学、専門学校、日本語学校等どの種別の学校に通っていても、源泉徴収をすることとなります。

ネパール人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

日本とネパールの間には租税条約がありません。よって、所得税が免除となることはありませんので、すべてのケースにおいて源泉徴収をすることとなります。

韓国人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

学校教育法1条に規定する学校(大学等)に通う韓国人留学生については、租税条約の適用があります。
一方、専門学校や日本語学校に通う韓国人留学生は条約上の「学生」でないことから租税条約の適用がありませんので、原則に戻って所得税を源泉徴収します。

日韓租税条約第20条
1 専ら教育又は訓練を受けるため一方の締約国内に滞在する学生又は事業修習者であって、現に他方の締約国の居住者であるもの又はその滞在の直前に他方の締約国の居住者であったものがその生計、教育又は訓練のために受け取る給付については、当該一方の締約国の租税を免除する。
ただし、当該給付が当該一方の締約国外から支払われるものである場合に限る。
2 1に規定する学生は、交付金、奨学金及び勤務による報酬であって現に滞在している一方の締約国に源泉のあるものについても、当該交付金、奨学金及び勤務による報酬の額の合計が年間二万合衆国ドル又は日本円若しくは韓国ウォンによるその相当額を超えない場合には、当該一方の締約国において租税を免除される。ただし、その者は、いかなる場合にも、継続する五年を超える期間当該免除を受けることはできない。

したがって租税条約の適用のある学校にかよう韓国人留学生のアルバイト代は、年間2万米ドルを超えず、継続する5年の期間を超えない限りにおいて、所得税を免除されます。

租税条約の適用により源泉徴収の免除を受けるためには、留学生が「租税条約に関する届出書」を作成し、最初の給与の支払い日の前日までに、給与支払者を通じて所轄税務署に提出する必要があります。
免除対象であるにもかかわらず源泉徴収をされたときには、後日、5年以内に「租税条約に関する届出書」と「租税条約に関する源泉徴収額の還付請求書」を税務署に提出することにより、還付を受けることができます。

台湾人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

台湾については、公益財団法人日本台湾交流協会(日本側)及び台湾日本関係協会(台湾側)との間の民間租税取決め及びその内容を日本国内で実施するための法令によって、全体として租税条約に相当する枠組みが構築されています。

学校教育法1条に規定する学校(大学等)に通う台湾人留学生については民間租税取決めの適用がありますが、民間租税取決めでは、免税の対象が「地域外から支払われるものである場合」に限られているため、日本国内で支払われるアルバイト代は一切免税されません。よって、原則に戻って所得税を源泉徴収することになります。
一方、専門学校や日本語学校に通う台湾人留学生は取決め上の「学生」でないことから民間租税取決めの適用がありませんので、こちらも原則どおり所得税を源泉徴収します。

日台民間租税取決め第20条
専ら教育又は訓練を受けるため一方の地域内に滞在する学生又は事業修習者であって、現に他方の地域の居住者であるもの又はその滞在の直前に他方の地域の居住者であったものが
その生計、教育又は訓練のために受け取る給付(当該一方の地域外から支払われるものに限る。)に対しては、当該一方の地域においては、租税を課することができない。

結論として、台湾人留学生の場合は、大学、専門学校、日本語学校等どの種別の学校に通っていても、源泉徴収をすることとなります。

インドネシア人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

学校教育法1条に規定する学校(大学等)に通うインドネシア人留学生については、租税協定の適用があります。
一方、専門学校や日本語学校に通うインドネシア人留学生は条約上の「学生」でないことから租税協定の適用がありませんので、原則に戻って所得税を源泉徴収します。

インドネシアとの租税協定第21条
一方の締約国を訪れる直前に他方の締約国の居住者であつた個人であつて、専ら、
(a) 当該一方の締約国内にある大学、学校その他の公認された教育機関の学生として、当該一方の締約国内に一時的に滞在するものは、当該一方の締約国に最初に到着した日から五課税年度を超えない期間、次のものにつき当該一方の締約国において租税を免除される。
(i) 生計、教育、勉学、研究又は訓練のための海外からの送金
(ii) 交付金、手当又は奨励金
(iii) 当該他方の締約国の居住者である雇用者によつて支払われる当該一方の締約国内における人的役務に対する報酬
(iv) 当該一方の締約国内における人的役務に対する報酬((iii)の報酬を除く。)で、当該一方の締約国が日本国である場合にあつては年間六十万円、当該一方の締約国がインドネシアである場合にあつては年間九十万インドネシア・ルピアを超えないもの

したがって租税協定の適用のある学校にかようインドネシア人留学生のアルバイト代は、年間60万円以内で五課税年度を超えない期間の限りにおいて、所得税を免除されます。

租税協定の適用により源泉徴収の免除を受けるためには、留学生が「租税条約に関する届出書」を作成し、最初の給与の支払い日の前日までに、給与支払者を通じて所轄税務署に提出する必要があります。
免除対象であるにもかかわらず源泉徴収をされたときには、後日、5年以内に「租税条約に関する届出書」と「租税条約に関する源泉徴収額の還付請求書」を税務署に提出することにより、還付を受けることができます。

スリランカ人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

学校教育法1条に規定する学校(大学等)に通うスリランカ人留学生については、租税条約の適用があります。
一方、専門学校や日本語学校に通うスリランカ人留学生は条約上の「学生」でないことから租税条約の適用がありませんので、原則に戻って所得税を源泉徴収します。

セイロン(スリランカ)との租税条約第14条
(1)一方の領域からの個人で、もっぱら、
(a)他方の領域内の一般に認められた大学若しくは学校の学生として、
当該他方の領域内に一時的に滞在するものは、次のものにつき、当該他方の領域において租税を免除される。
(ⅲ)当該他方の領域における人的役務に対する報酬で、賦課年度又は課税年度を通じて三十六万円又はセイロン通貨のその相当額をこえないもの

したがって租税条約の適用のある学校にかようスリランカ人留学生のアルバイト代は、年間36万円の限りにおいて、所得税を免除されます。
なお、1968年に条約が発効してから以後に改正がなされていないために、免税額が当時の物価のままになっています。

租税条約の適用により源泉徴収の免除を受けるためには、留学生が「租税条約に関する届出書」を作成し、最初の給与の支払い日の前日までに、給与支払者を通じて所轄税務署に提出する必要があります。
免除対象であるにもかかわらず源泉徴収をされたときには、後日、5年以内に「租税条約に関する届出書」と「租税条約に関する源泉徴収額の還付請求書」を税務署に提出することにより、還付を受けることができます。

ミャンマー人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

日本とミャンマーの間には租税条約がありません。よって、所得税が免除となることはありませんので、すべてのケースにおいて源泉徴収をすることとなります。

タイ人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

他の大多数の租税条約において規定されている「学生」の文言が、タイとの租税条約においては用いられていません。
このため、学校教育法1条に規定する学校(大学等)に通うタイ人留学生については租税条約の適用があり、専門学校や日本語学校に通うタイ人留学生は条約上の「学生」でないことから租税条約の適用がないと紋切り型に判断することができないことから、税務当局への確認の必要が特に生じます。

タイとの租税条約第19条
一方の締結国を訪れる直前に他方の締結国の居住者であった個人であって、専ら、大学その他の公認された教育機関において勉学するため、職業上若しくは営業上の資格に必要な訓練を受けるため、当該一方の締結国を訪問するものは、次のものにつき、当該一方の締結国内において租税を免除される。
(1)生計、教育、勉学、研究又は訓練のための海外からの送金
(2)交付金、手当又は奨励金
(3)5年を超えない期間内に当該一方の締結国において提供する人的役務による所得

日本国内で支払われるアルバイト代が「5年を超えない期間内」である限りにおいてはすべて免税になるものと解されます。

租税条約の適用により源泉徴収の免除を受けるためには、留学生が「租税条約に関する届出書」を作成し、最初の給与の支払い日の前日までに、給与支払者を通じて所轄税務署に提出する必要があります。
免除対象であるにもかかわらず源泉徴収をされたときには、後日、5年以内に「租税条約に関する届出書」と「租税条約に関する源泉徴収額の還付請求書」を税務署に提出することにより、還付を受けることができます。

マレーシア人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

学校教育法1条に規定する学校(大学等)に通うマレーシア人留学生については租税協定の適用がありますが、租税条約では、免税の対象が「国外から支払われるものである場合」に限られているため、日本国内で支払われるアルバイト代は一切免税されません。よって、原則に戻って所得税を源泉徴収することになります。
一方、専門学校や日本語学校に通うマレーシア人留学生は条約上の「学生」でないことから租税協定の適用がありませんので、こちらも原則どおり所得税を源泉徴収します。

マレーシアとの租税協定第20条
専ら教育又は訓練を受けるため一方の締約国内に滞在する学生又は事業修習者であって、現に他方の締約国の居住者であるもの又はその滞在の直前に他方の締約国の居住者であったものがその生計、教育又は訓練のために受け取る給付については、当該一方の締約国の租税を免除する。
ただし、当該給付が当該一方の締約国外から支払われるものである場合に限る。

結論として、マレーシア人留学生の場合は、大学、専門学校、日本語学校等どの種別の学校に通っていても、源泉徴収をすることとなります。

アメリカ人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

学校教育法1条に規定する学校(大学等)に通うアメリカ人留学生については租税条約の適用がありますが、租税条約では、免税の対象が「国外から支払われるものである場合」に限られているため、日本国内で支払われるアルバイト代は一切免税されません。よって、原則に戻って所得税を源泉徴収することになります。
一方、専門学校や日本語学校に通うアメリカ人留学生は条約上の「学生」でないことから租税条約の適用がありませんので、こちらも原則どおり所得税を源泉徴収します。

アメリカ政府との租税条約第19条
教育又は訓練を受けることを主たる目的として一方の締約国内に滞在する学生又は事業修習者であって、現に他方の締約国の居住者であるもの又はその滞在の直前に他方の締約国の居住者であったものがその生計、教育又は訓練のために受け取る給付(当該一方の締約国外から支払われる給付に限る。)については、当該一方の締約国において租税を免除する。

結論として、アメリカ人留学生の場合は、大学、専門学校、日本語学校等どの種別の学校に通っていても、源泉徴収をすることとなります。

モンゴル人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

日本とモンゴルの間には租税条約がありません。よって、所得税が免除となることはありませんので、すべてのケースにおいて源泉徴収をすることとなります。

バングラデシュ人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

学校教育法1条に規定する学校(大学等)に通うバングラデシュ人留学生については租税条約の適用がありますが、租税条約では、免税の対象が「海外からの送金」に限られているため、日本国内で支払われるアルバイト代は一切免税されません。よって、原則に戻って所得税を源泉徴収することになります。
一方、専門学校や日本語学校に通うバングラデシュ人留学生は条約上の「学生」でないことから租税条約の適用がありませんので、こちらも原則どおり所得税を源泉徴収します。

バングラデシュとの租税条約第20条
一方の締約国を訪れる直前に他方の締約国の居住者であった個人であって、専ら、
(a)大学その他の公認された教育機関において勉学するため、
当該一方の締約国を訪問するものは、次のものにつき、当該一方の締約国において租税を免除される。
(ⅰ)生計、教育、勉学、研究又は訓練のための海外からの送金
(ⅱ)交付金、手当又は奨励金

結論として、バングラデシュ人留学生の場合は、大学、専門学校、日本語学校等どの種別の学校に通っていても、源泉徴収をすることとなります。

フィリピン人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

他の大多数の租税条約において規定されている「学生」の文言が、フィリピンとの租税条約においては用いられていません。
このため、学校教育法1条に規定する学校(大学等)に通うフィリピン人留学生については租税条約の適用があり、専門学校や日本語学校に通うフィリピン人留学生は条約上の「学生」でないことから租税条約の適用がないと紋切り型に判断することができないことから、税務当局への確認の必要が特に生じます。

日比租税条約第21条
(1)一方の締約国を訪れた時点において他方の締約国の居住者であった個人であって、主として、
(a)当該一方の締約国内の大学その他の公認された教育機関において勉学をするため、
当該一方の締約国内に一時的に滞在するものは、次のものにつき、当該一方の締約国において租税を免除される。
(ⅰ)生計、教育、勉学、研究又は訓練のための海外からの送金
(ⅱ)交付金、手当又は奨励金
(ⅲ)当該一方の締約国内で提供する人的役務によつて取得する所得であつて年間千五百合衆国ドル又は日本円若しくはフィリピン・ペソによるその相当額を超えないもの

(2)(1)の規定に基づく特典は、滞在の目的を達成するために合理的又は慣習的に必要とされる期間についてのみ与えられる。
ただし、その特典は、いかなる場合にも、(1)(a)の場合には引き続き五年を超える期間、(中略)与えられることはない。

したがって租税条約の適用のある学校にかようフィリピン人留学生のアルバイト代は、年間千五百米ドルを超えず、引き続き5年の期間を超えない限りにおいて、所得税を免除されます。

租税条約の適用により源泉徴収の免除を受けるためには、留学生が「租税条約に関する届出書」を作成し、最初の給与の支払い日の前日までに、給与支払者を通じて所轄税務署に提出する必要があります。
免除対象であるにもかかわらず源泉徴収をされたときには、後日、5年以内に「租税条約に関する届出書」と「租税条約に関する源泉徴収額の還付請求書」を税務署に提出することにより、還付を受けることができます。

フランス人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

学校教育法1条に規定する学校(大学等)に通うフランス人留学生については租税条約の適用がありますが、租税条約では、免税の対象が「国外から支払われるものである場合」に限られているため、日本国内で支払われるアルバイト代は一切免税されません。よって、原則に戻って所得税を源泉徴収することになります。
一方、専門学校や日本語学校に通うフランス人留学生は条約上の「学生」でないことから租税条約の適用がありませんので、こちらも原則どおり所得税を源泉徴収します。

フランス政府との租税条約第20条
専ら教育又は訓練を受けるため一方の締約国内に滞在する学生又は事業修習者であって、現に他方の締約国の居住者であるもの又はその滞在の直前に他方の締約国の居住者であったものが
その生計、教育又は訓練のために受け取る給付については、当該一方の締約国において租税を課さない。
ただし、当該給付が当該一方の締約国外から支払われるものである場合に限る。

結論として、フランス人留学生の場合は、大学、専門学校、日本語学校等どの種別の学校に通っていても、源泉徴収をすることとなります。

インド人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

学校教育法1条に規定する学校(大学等)に通うインド人留学生については租税条約の適用がありますが、租税条約では、免税の対象が「国外から支払われるものである場合」に限られているため、日本国内で支払われるアルバイト代は一切免税されません。よって、原則に戻って所得税を源泉徴収することになります。
一方、専門学校や日本語学校に通うインド人留学生は条約上の「学生」でないことから租税条約の適用がありませんので、こちらも原則どおり所得税を源泉徴収します。

日印租税条約第20条
専ら教育又は訓練を受けるため一方の締結国内に滞在する学生又は事業修習者であって、現に他方の締結国の居住者であるもの又はその滞在の直前に他方の締結国の居住者であったものがその生計、教育又は訓練のために受け取る給付については、当該一方の締結国の租税を免税する。ただし、当該給付が当該一方の締結国外から支払われるものである場合に限る。

結論として、インド人留学生の場合は、大学、専門学校、日本語学校等どの種別の学校に通っていても、源泉徴収をすることとなります。

ドイツ人留学生のアルバイト代に係る源泉徴収

学校教育法1条に規定する学校(大学等)に通うドイツ人留学生については租税条約の適用がありますが、租税条約では、免税の対象が「国外から支払われるものである場合」に限られているため、日本国内で支払われるアルバイト代は一切免税されません。よって、原則に戻って所得税を源泉徴収することになります。
一方、専門学校や日本語学校に通うドイツ人留学生は条約上の「学生」でないことから租税条約の適用がありませんので、こちらも原則どおり所得税を源泉徴収します。

ドイツとの租税協定第19条
専ら教育又は訓練を受けるため一方の締約国内に滞在する学生又は事業修習者であって、現に他方の締約国の居住者であるもの又はその滞在の直前に他方の締約国の居住者であったものが
その生計、教育又は訓練のために受け取る給付(当該一方の締約国外から支払われるものに限る。)については、当該一方の締約国においては、租税を課することができない。

結論として、ドイツ人留学生の場合は、大学、専門学校、日本語学校等どの種別の学校に通っていても、源泉徴収をすることとなります。

留学生が週28時間を超えてアルバイトをしていると、雇用主にも不法就労助長罪という犯罪が成立しますので気をつけましょう。くわしくは別記事を確認してくださいね。


 

東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート行政書士事務所を開業。業歴は10年を超える。専門は入管法、国籍法。
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