「生活オリエンテーション」で特定技能外国人に情報提供すべき「行政手続き」とは何ですか?【徹底解説】

特定技能外国人を受け入れる企業又は委託を受けた登録支援機関が行なう「生活オリエンテーション」においては、外国人のかたが履行しなければならない行政手続きについて情報を提供することとなっています。

この記事では、生活オリエンテーションで知らせるべき日本の行政手続きについて具体的に解説します。

生活オリエンテーションの内容:入管法にかかる届出

生活オリエンテーションにおいて外国人のかたに知らせるべき入管法関連の手続きはつぎのとおりです。

所属機関等に関する届出(入管法第19条の16関係)

特定技能所属機関の名称又は所在地の変更、所属機関の消滅、特定技能所属機関との契約の終了又は新たな契約の締結があったときは、その事由が生じた日から14日以内に出入国在留管理局へ届け出なければなりません。

なお、特定技能ビザにおいてはビザの要件をみたす限りにおいて転職が可能ですが、転職をする際には、事前に在留資格変更許可申請が必要です。
これは、特定技能の在留資格の許可・不許可の判断が「働く会社」と密接に結びついているためです。

住居地に関する届出(入管法第19条の7から第19条の9まで)

特定技能ビザでの滞在者は中長期在留者ですので、日本に新規上陸した後、住居地を定めた日から14日以内に住居地の市区町村においてその住居地を届け出る必要があります。
住居地を定めた日から14日以内に届け出なかった場合、20万円以下の罰金に処せられることがあります。
また正当な理由なく、新規に上陸した後90日以内に住居地を届け出なかった場合は在留資格が取り消されることがあります。

新規上陸後の住居地に関する届出を完了した後、転居した時も、届出が必要です。

生活オリエンテーションの内容:社会保障および税に関する手続き

生活オリエンテーションにおいて外国人のかたに知らせるべき社会保障・税にかんする手続きはつぎのとおりです。

社会保障に関する手続き

在留期間更新及び在留資格変更の申請において社会保険料の納付状況が確認され、未納がある場合には在留諸申請が不許可になる場合があることを伝えます。

特定技能所属機関が適用事業所の場合は、健康保険及び厚生年金保険に関する手続・制度について情報提供します。
保険料が給与から天引きされることになりますので、これについても理解を得ます。

特定技能所属機関が適用事業所以外の場合又は当該外国人が適用事業所を離職する場合は、国民健康保険及び国民年金に関する手続について情報提供します。
外国人自身が手続を行う必要があることを的確に伝えるとともに、行政機関の窓口に同行することが望ましいとされています。

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税に関する手続き

在留期間更新及び在留資格変更の申請において税の納付状況を確認され、未納がある場合には在留諸申請が不許可になる場合があることを伝えます。

具体的には、
・ 源泉徴収・特別徴収制度(所得税・住民税は,原則として給与から天引きされること)
・ 住民税納付の仕組み:
➤前年の給与所得がない場合は入社2年目の年から納税が始まり,原則として離職後の翌年まで納税義務があること。
➤離職後の納税については一括納税や納税管理人制度の利用も可能であること。
➤転職により離職する場合には、転職先において引き続き未納税額を給与から天引きすることも可能であること。

その他

個人番号(マイナンバー)制度の仕組み
 具体的には、
 ・マイナンバーは日本国内での社会保障・税・災害対策の分野で利用されるものであること、
 ・住所地で住民票が作成された後、マイナンバーを通知するカード(紙製)が自宅に郵送されること
 ・マイナンバーカード(写真付きICカード)が申請により取得できること
 ・マイナンバーカードは市町村によってはコンビニエンスストアで住民票の写し等の証明書を取得できるなど,各種サービスに利用できること

生活オリエンテーションの内容:その他の行政手続き

生活オリエンテーションにおいて外国人のかたに知らせるべきその他の行政手続きはつぎのとおりです。

自転車防犯登録の方法等
 具体的には、
 ・店頭又はインターネットで購入した場合や他人等から譲り受けた場合の登録方法,盗難又は撤去された場合の対応

まとめ

特定技能外国人がこれらの行政手続きを履行するに当たっては、必要に応じて、特定技能所属機関等が行政機関の窓口へ同行し、書類作成の補助をするなどの必要な支援を行わなければならないものとされています。

東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート行政書士事務所を開業。業歴は10年を超える。専門は入管法、国籍法。
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