技能実習生にかかる各種の費用について、どこまで実習生本人に負担を求めることができますか?【徹底解説】

更新日 2021年5月22日

技能実習生に支払う給料水準については別の記事でご紹介しましたが、光熱費ほか寮生活にかかる必要や監理団体にかかる費用など、どこまでを技能実習生に負担してもらうことができるのでしょうか。

法令により、会社が負担すべきものを技能実習生に転嫁することはできず、また、実費に上乗せした不当な費用を請求することもできません。
この記事では、何がどこまで許されるのかについて具体的にみていきましょう。技能実習制度の全般については、別記事「技能実習生とは」でくわしく解説しています。

技能実習生が定期に負担する費用について

食費、居住費、水道・光熱費など技能実習生が定期に負担する費用については、技能実習生との間で合意がされている必要があります。

旧制度において、技能実習生が不当に高額な費用を請求される事例も指摘されていましたが、新制度では、その費用が実費に相当する等適正な額でなければならないことが法令で明確化されています。

食費について

提供される食事、食材等の提供内容に応じて、以下のとおり、合理的な費用でなければなりません。
・ 食材、宅配弁当等の現物支給の場合⇒ 購入に要した額以内の額
・ 社員食堂での食事提供の場合⇒技能実習生以外の従業員から徴収する額以内の額
・ 食事の調理・提供の場合⇒ 材料費、水道・光熱費、人件費等の費用の提供を受ける者(技能実習生のみに限られない。)の人数で除した額以内の額

居住費について

自己所有物件の場合、借上物件の場合に応じて、以下のとおりでなければなりません。
・ 自己所有物件の場合⇒実際に建設・改築等に要した費用、物件の耐用年数、入居する技能実習生の人数等を勘案して算出した合理的な額
・ 借上物件の場合⇒借上げに要する費用(管理費・共益費を含み、敷金・礼金・保証金・仲介手数料等は含まない。)を入居する技能実習生の人数で除した額以内の額

なお、借上物件であっても、監理団体・実習実施者の役員、専従者、同居の親族の所有物件である場合などで、実質的に貸主が監理団体・実習実施者と同一視できる場合には、
自己所有物件ではなく借上物件として評価すべき事情について詳細な説明が求められることがあります。

水道・光熱費について 

実際に要した費用を当該宿泊施設で技能実習生と同居している者(実習実施者やその家族を含む)の人数で除した額以内の額でなければなりません。

技能実習生による監理費の負担禁止について

監理団体から監理費として徴収される費用については、直接的にも、間接的にも、技能実習生に負担させてはなりません。
これは雇用主が自ら負担すべき経費であるからです。

なお監理費とは、①職業紹介費、②講習費、③監査指導費、④その他諸経費のことをいいます。

東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート行政書士事務所を開業。業歴は10年を超える。専門は入管法、国籍法。
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