技能実習生の住居(寮・宿泊施設)は、どれくらいの広さの物件を、いつまでに用意すべき?【徹底解説】

更新日 2021年6月13日

技能実習生を受け入れる企業(実習実施者)又は監理団体は、技能実習生のための適切な住居宿泊施設)を確保する必要があります。

適切な住居といえるためには、広さのみならず、様々な条件が課せられています。

特にコロナ禍においては、技能実習生の寮(住居)においても、新型コロナウイルス感染症の感染を防止するため、3密(換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発生をする密接場面)を避けることができるよう、必要な対応を行う必要があるとされています。

この記事では、技能実習生のために用意する寮・宿泊施設・住居についてご説明します。技能実習制度の全般については、別記事「技能実習生とは」でくわしく解説しています。

技能実習生の寮(宿泊施設)は、いつまでに確保する必要がある?

技能実習生の寮(宿泊施設)は、原則として技能実習計画認定申請時において、契約によって確保されている必要があります。

しかしながら申請時の契約による確保が困難である特段の事情がある場合には、確保予定の個別具体的な宿泊施設について、その概要が明らかになる資料(見取り図)を示しつつ、申請することができます。

なお、技能実習計画の認定後、申請時に示した宿泊施設とは別の宿泊施設に変更することとなった場合には、計画の変更届出を行わなければなりません。

技能実習生の寮(宿泊施設)は、どんな物件を確保する必要がある?

技能実習生の寮(宿泊施設)については、技能実習計画の認定申請において、下記の事項が確認できることが必要です。

① 宿泊施設を確保する場所は、爆発物、可燃性ガス等の火災による危険の大きい物を取扱い・貯蔵する場所の付近、高熱・ガス・蒸気・粉じんの発散等衛生上有害な作業場の付近、騒音・振動の著しい場所、雪崩・土砂崩壊のおそれのある場所、湿潤な場所、出水時浸水のおそれのある場所、伝染病患者収容所建物及び病原体によって汚染のおそれの著しいものを取り扱う場所の付近を避ける措置を講じていること

② 2階以上の寝室に寄宿する建物には、容易に屋外の安全な場所に通ずる階段を2箇所以上(収容人数 15 人未満は1箇所)設ける措置を講じていること

ただし、すべり台、避難はしご、避難用タラップ等の同様の代替措置により技能実習生の安全を確保できる措置を講じている場合には、「技能実習生の報酬・宿泊施設・徴収費用についての説明書」の特記事項に当該代替措置等を記載し、必要に応じて疎明資料を添付した上で技能実習計画の認定申請をすることとなります。

③ 適当かつ十分な消火設備を設置する措置を講じていること

④ 寝室については、床の間・押入を除き、1人当たり4.5㎡以上を確保することとし、個人別の私有物収納設備、室面積の7分の1以上の有効採光面積を有する窓及び採暖の設備を設ける措置を講じていること

なお個人別の私有物収納設備については、プライバシーの確保や盗難防止の観点から、身の回りの品を収納できる一定の容量があり、かつ、施錠可能で持出不可なものであることが必要です(個人別に施錠可能な部屋である場合を除く。)。

収納設備に施錠機能がない場合には、南京錠やチェーンロックなどにより施錠機能を施す必要があります。また、「持出不可」である必要があることから、収納設備が建物に備え付けられていない場合、防犯ワイヤー等で建物に固定します。

単に押し入れの中を技能実習生ごとに区分けしたり、個人ごとの収納ボックスを付与したのみでは、私有物収納設備とは認められません。
鍵については、当該私有物収納設備等を使用する技能実習生自身に管理させなければなりません。

1畳の広さは地域によって異なりますが、仮に1畳が1.65㎡の地域であるとすると、4.5㎡はおよそ2.7畳となります。したがって、2名の技能実習生を4畳半の部屋に入居させることはできず、この地域では6畳に2名の割り当てがひとつの目安となります。

⑤ 就眠時間を異にする2組以上の技能実習生がいる場合は、寝室を別にする措置を講じていること

⑥ 食堂又は炊事場を設ける場合は、照明・換気を十分に行い、食器・炊事用器具を清潔に保管し、ハエその他の昆虫・ネズミ等の害を防ぐための措置を講じていること

⑦ 他に利用し得るトイレ、洗面所、洗濯場、浴場(脱衣室を含む。)のない場合には、当該施設を設けることとし、施設内を清潔にする措置を講じていること(各施設は一般的な機能を有する設備を設け、浴場は保温性を維持し、必要に応じ、プライバシーが守られるよう十分に配慮していること)

⑧ 宿泊施設が労働基準法第10章に規定する「事業の附属寄宿舎」に該当する場合は、同章で定められた寄宿舎規則の届出等を行っており、又は速やかに行うこととしていること

⑨ 宿泊施設内の共用部分については、必要に応じ、消毒するなどの衛生管理を行い、感染症の発生及びまん延防止のための措置を講じていること

まとめ

ご説明した技能実習生の住居(寮・宿泊施設)についての基準は、入国後講習の実施期間中に技能実習生が宿泊する施設もこれを満たす必要があります。

監理団体等が確保した宿泊施設とは別の物件を技能実習生が宿泊施設として希望した場合(例えば近隣の賃貸物件を希望した場合)には、技能実習生の自己負担により、
上記の基準を満たす宿泊施設に宿泊施設を変更することはできますが、その場合には技能実習計画の変更の届出が必要となります。

東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート行政書士事務所を開業。業歴は10年を超える。専門は入管法、国籍法。
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